7.その他

7/8ページ

カリリカリ

「カリリカリ小気味良き音鮮やかにりんごの笑顔部屋に飛び出し」(夢子さん2002年3月7日) 若い白秋はりんごを「さくさく」と表現しました。夢子さんは「カリリカリ」という。(あおぎりはこれに同感です。)ご主人はそれを羨んでおられる・・・。年齢とか健康状態などで、ひとつのものがこうも違って表現される、といういい見本ですね。それにしても、「カリリカリ」はいい擬音語ですね。ただ、あとに続く言葉が短歌になり […]

歌の焦点

「手をつなぎ歩きし我が子 学び舎へ見守られたる園あとにして」 (きよしさん2002/01/16) この歌、いつも手をつないだりしてまつわりついていた幼い子が小学校へ上がるんだという感慨と、色々お世話になった幼稚園への感謝の念とがだぶっていますね。こうした場合、短歌ではどちらかに絞って詠むとうまくゆきます。両方を詠み込むこともできますが、焦点がぼけて、先生へのお礼の歌としては弱くなるのです。(あるい […]

語韻 余韻 について

「ほの暗き城門くぐり大銀杏耀く道を武道館に着きぬ」 (幸乃さん2001年12月6日) いいですねー。「ほの暗き城門」という重い出だしが、「武道館」の暗く重みある語感に呼応しています。その中間が陽光あふれる道で、すっかり黄葉した大銀杏並木がまぶしく輝いている。。。やわらかを出すため「耀く」をひらがな表記とし、また結句だけ添削しておきます。 添削(梧桐): 「ほの暗き城門くぐり大銀杏かがやく道を武道館 […]

動きを出したいとき

「メキシコの香りとラムに溶けながら抱き寄せられて踊るメレンゲ」 (nanamiさん2001年12月5日) 添え書きに言われる「ひっつき具合」とは、男女のペアのくっつき具合のことですね。それがサルサよりすこ?し(つまりかなり)上の踊りだと。 この歌、音という文字はありませんが、ダンスですから、当然音楽がバックにありますね。「ラム」は「ラム酒」のことですね。メキシコでは、料理酒としてだけではなく、ラム […]

旅行詠だとわかる

「早朝のチャオプラヤー川に乗合船行き交ひ初めて一日始む」 (桐子さん2001年12月1日) 結句の「始む」は変ですね。これは「はじめる」ということですから。ここは「はじまる」と言いたいのでしょう?「チャオプラヤー川」という固有名詞が効いていますね。これで旅行詠だということが分かります。 添削 「早朝のチャオプラヤー川に乗合船行き交ひそめて今日が始まる」 (桐子)

カリコリカリッ

「小一時間かけて焼かれしかき餅の色良し香良しカリコリカリッ」 (梨夏婁さん2001年11月29日) よく詠まれた、軽快な歌ですねー。とくに結句がそうです。よく感じが出ています。こうした擬音語は、うまく使えば生(なま)の言葉で説明するより直接的に読者に気持ちが伝わりますね。なお、このかき餅はどこかの店で焼いたのを食べるのですね。ご自分で焼くのではなく。(「焼かれし」ですからね、「焼きし」ではなく。) […]

動きがあった方がいい場合

「頭から足の先まで泥んこのザリガニ獲りの輝く笑顔」(梨夏婁さん2001年11月28日) あおぎりとしても、なつかしい光景です。所によっては今も見られるわけですね。習い事や勉強などで四六時中縛られている多くの子供達にも、是非経験させてやりたいですね。  さて、短歌として、ですが。こういう歌は動きがあった方がいいですね。それにはまず名詞止めを避けるといいです。すると、自ずから語順を変えることとなります […]

語韻 余韻 について

「ぐっしょりと重たいものを持つ夢に目覚めて外に雨音を聞く」 (幸乃さん2001年10月28日) 初ニ句「ぐっしょりと重たいものを・・・」はどうですかね。「ぐっしょりと」濡れて重たい、なら解りますが。結句、「聞こゆ」なら添え書きどおりですね。「雨音聞こゆ」とするのです。初句の「ぐっしょりと」は結句の「雨」と繋がっているわけですね。だから、この語は捨てられない・・・。 添削・改作(梧桐): 「ぐっしょ […]

動詞で終わる

名詞止とか動詞止めとか、体言止とか用言止めとか言うけれど、歌の最後を締めくくるのにはどんな技法があるのかしら?どんなことに注意すれば良いの? 「発表会終えて緊張やっと溶け一口すする熱いコーヒー」 (あゆ子さん2001年10月1日) こうした場合は名詞止めより動詞で終わる方が、動作の余韻が読者に残っていいですよ。何の発表会かも入れたいところです。 添削・改作(口語新仮名遣い): 「コーラスの発表会終 […]

固有名詞の使いかた

「何時の日に旅は始まり何処にて旅は終わらむサロベツの野よ」 (酔狂さん2001年8月15日) 「サロベツ原野」は観光スポットになっていて、サロベツから原野を連想することは容易であろうということ、と「原野」のイメージも、まぁ、人によるイメージの違いはすくないだろうという期待を基にしていますが粋狂の勝手な思い込みかもしれません。 これは概念歌ですね。ちょっと掴み所がありません。最後のサロベツという固有 […]

1 7 8