言葉の重複

「元旦」の「旦」

「海越えてとどく年賀の声ちかし心はずます元旦の朝」(とよ子) 留学中の孫娘から、元日の朝早く年賀の電話がありました。すぐ近くにいるようでした、昔では考えられない事ですね。老人二人、目を細めた新年の朝でした。よろしくお願いします。 国際電話ですね。孫娘さんと話されたとのことですが、おっしゃるように直ぐ隣に居るように聞こえますね。なお、「元旦」の「旦」には「朝」の意味があります。 添削: 「海越えて女 […]

「鬮」という文字で十分珍しいことがわかります

「珍しい鬮(くじ)神宮の在るを聴き祠の文字を指で撫で見る」(実華) 村(旧)の鎮守に鬮神宮があると聴き探しました。板碑合祀型供養石碑という珍しい連碑の右面に鬮神宮、左面に白旗宮としてありました。鶴岡八幡宮の源氏、山口県赤間神宮の平家に係わるものであり、双方の霊を弔い造立されたようだが、鬮神宮というのは珍しいようです。 鬮(くじ)神宮ですか。初耳です。源平に係わる神社なのですね。お作で「珍しい」とか […]

「小春日和」は「ぽかぽか陽気」

「窓越しに朝日さしこみぽかぽかと小春日和に笑顔こぼれる」(koihime) あけましておめでとうごさいます。今年もどうぞご指導の程宜しくお願い致します。この歌は、晴れた日の朝日が暖かく、丸くなった猫を連想し詠いました。犬や猫が好きなのでその可愛い姿を連想しました。本日もどうぞ宜しくお願い致します。 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしく、お越し下さい。「小春日和」は「ぽかぽか陽気」のこ […]

重複感が否めない?

「松原の治水の杜の静けさや豊かな尾張野豊作の秋」(とよ子) 秋の一日、木曾三川公園へいってきました。こちらは、小学生の遠足で大変賑わっておりましたが、道路をはさんだ隣の治水神社は人影もなくひっそりとしておりました。何だか忘れられているようで、ちょっと寂しく思いました。こんな事を思うのも、歳のせい??おかげさまで、尾張野は豊かになりました。老人の独り言、、ごめんなさい、よろしくお願いします。 おっし […]

程度の問題だが、遊びは短歌の一つの要素

「かたたたきかたたたくだけ親の肩たたきたたかれ高まる愛情」(白糸) もももすももも・・・のような言葉遊び的な短歌はアリでしょうか?初めて添削してもらうのに、このような短歌ですみません。けれど、自分自身ではこういうのを詠むのが好きです。 詩情を失うことがなければ、定型化することで大抵は短歌になりますね。程度の問題ですが、遊びは短歌の一つの要素と言えるのでしょうね。それと、同じ言葉を繰り返して感動を強 […]

重複が気にならない例

「微かなる雨音を聴く胸腔に降りやまぬ雨まみどりの雨」(文2006/07/21) 降り止まぬ雨音を聴いていると、胸の中から響いてくるような気がします。 そちらもひどく雨が降っているようですね。これほど梅雨明けが待たれるのも久し振りです。それでも、お作ではその雨を「まみどりの雨」と表現されていて、決して全面的拒否ではありませんね。梅雨に気分をうまく合わせておられるのでしょう。お作では「雨」が三度出てき […]

言葉の重複

「紫陽花の芽の膨らみに気付きし日紫陽花寺の紫想う」 (ゆう子2004年2月6日) 歌はほぼいいのだけれど、全体を通して読むとき、やはり「紫陽花寺の紫想う」の「紫」が気になる。この寺のどこかに、紫陽花とは別に紫で象徴される何かがあったのかと。これを「紫陽花」とすれが、言いたい「紫」もイメージされるね。 添削: 「紫陽花の芽の膨らみに気付きし日紫陽花寺の紫陽花想ふ」(ゆう子) アレ?この歌「紫陽花」が […]

行為をはっきりさせるには漢字がいい

「歌ひとつ詠みたき梅雨の昼下がりよみきれぬまま何時かまどろむ」(桐子さん2002年7月3日) 前作に続いてこれもうまい。確かにこの歌では「ひとつ」がいいですね。歌というものがよく解ってきましたね。「よみきれぬまま」の「よみ」は漢字がいいでしょう。「詠みきれぬまま」。行為をはっきりさせるには漢字がいいですから。前に同じ文字がありますが、気にならないし、むしろそれを受けたことがはっきりしていいです。文 […]

固さ柔らかさ

炎天や他に音なき蝉時雨人目も草も静まり返りて(桐子さん2001年8月5日) 「他に」は、一読で「たに」と読まれないように、「ほかに」とひらがなが良いですね。また「人目も・・静まりかえりて」はちょっと変です。人目を気にする、人目を憚る、などと言いますが、やはり音ではなく「目」が主体ですから。「他に音なき・・・静まりかえりて」も言葉が重複しています。短歌は字数が限られていますから、こうした無駄は極力避 […]