言い慣れた言葉ではなく工夫して

使い古された言葉は避けたい

「櫛の歯の抜けるごとくに戸を閉ざしセピア色なす商店街は」(すずむし)買い物に出かける時、かつては賑やかだったろう商店街を通り抜けてスーパーへ行きます。私がこの町に嫁いで来た頃はまだ人影がありましたが、30年余の間に全く様相が変わってしまいました。時代の流れ、変化は止めようが無いんですね・・・これから20年後はまたどうなっていることやら・・・。(この歌は前に似たような歌を見たような気がします。その歌 […]

常套句は避けたい

「天をつく銀杏若葉のさ緑が古寺の空輝かしおり」(あおい)「スダジイの老木茂り主のごと小さき社は昼なお暗し」(あおい) 私の市では緑化啓発運動の一環として「市の巨木・名木マップ」を発行配布しています。この地図をもって家から一時間ほど散歩して、お寺や神社に堂々とそびえる木々に会いに行きました。ほんの一時間ほどですが、すがしい気持ちになって帰宅できました。 お寺や神社の境内はそれほど人の手を加えないゆえ […]

もう一工夫

お願い致します。 「青空に仙丈ケ岳凛と立ち初雪光り冬の訪れ」(伊那佳) 紅葉の頃伊那から見た初雪です。「仙丈ケ岳」「凛」が好きです。 伊那の初雪は深秋でしたか。「初雪光り」とありますから「冬の訪れ」は余りにも当たり前では?他に詠みこみたいことはないのですか?もうひと工夫してみて下さい。 よろしくお願い致します 青空に仙丈ケ岳凛と聳ち初雪そむる深秋の郷 秋も詠みこみたいと思いました 秋・枯れる・紅葉 […]

緻密な推敲

「両親に社会に反抗した日々もあるとうママの瞳のやさしさ」(麻里子) 私ではなく,ママ友達のことなのですが,「ママ」でわかっていただけますでしょうか。「母」では私の母親のようでもあるし,「彼女」とするよりも,現在は母親となっていることを表したくも思い,迷いました。また,「とう」ですが…これでよろしいのでしょうか。「経て」とするよりも間接的で柔らかい表現にしたかったのですが。御指導どうぞよろしくお願い […]

常套句

「天高く穂高の山脈(やまなみ)白く初み紅葉の里から冬を見ゆ」(伊那佳) (天高くアルプスの山脈白く初み紅葉の飛騨路に冬のおとずれ) 紅葉を見に安房トンネルを抜け新穂高ロープウエーで西穂高口(2156m)から北アルプスを見ました。里の紅葉は遅く、山の頂は初雪が積もり冬景色でした。(冷たい秋雨の後の好天気でした。この初雪で穂高で遭難者が出ました・・山は怖い) 初句の「天高く」は余りにも使い古された常套 […]

推敲の仕方

「「つづれさせ」蟋蟀は鳴くと祖母言ひし時代(とき)は移りて世は使い捨て」 (桐子さん2002年9月10日) 祖母に聞いたことがあります。蟋蟀は「褸刺せよ 褸刺せよ」と鳴くのだと つまり「寒くなってきたからそろそろ着物の綻びを繕いなさい」と教えているのだと。でも ものが溢れている今の時代では 簡単に捨ててしまい 昔のように継ぎを当ててまで着るという事がほとんどありません。 初句は漢字のほうが分かり易 […]

推敲の仕方

夏になると小さなクチナシの木は丸坊主になります。見れば揚羽の幼虫が元気よく葉っぱを食べています。あげはちょうをみると心が和みます。 「ひらひらと クチナシの木に 舞うあげは ふるさとの香を 探しあてしか 」 (あゆ子さん2001年7月24日) ひらひらと舞う,というのはいかにもその通りですが,あまりにも言い慣れた言葉ですね.もう少し工夫がほしいところです. 添削・改作 「揚羽蝶くちなしの木に纏はり […]