焦点をあてる

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焦点が行くように

「一ノ一から二年二組となりし児がふと少年の顔を見せたり」(りこりこ)1年という月日の何と早い事か、今度の先生は新任の男の先生だと言っている顔がもう少年の様に逞しく見えました。又新しい先生なりの情熱で指導して戴ける事と楽しみにしています。初句の所が字あまりになるのでこんな形にしましたが、解るでしょうか?添削宜しくお願い致します。 これはお孫さんですね?一年一組から二年二組になった、その面白さも盛り込 […]

何を一番詠みたいかを押さえる

”父”へのご指導ありがとうございました。添削していただくことの喜び、なんともいえない幸せ感をおぼえました。そして、失礼ながらその洞察力の鋭さはさすが、、、、、、と、驚嘆しています。今日は、母へ、というタイトルで詠みました。自分の幸せを追うことに終始して母への思いやりを欠いてしまい、結果元気できれいだった母が病気で半身が不自由になってしまったという背景です。(母を一人ぼっちにさせてしましました。私は […]

歌の焦点

「花白き林檎の枝に腕たかく伸ばす農婦に夕光(ゆふかげ)さしぬ」 (真理子さん2003/02/25)  歌ですが、ご自分では気に入っている情景とのことですが、林檎の白い花に一つの焦点があり、農婦が腕を高く伸ばす姿勢につい読者の視点が行き、もう一つの焦点となっています。さらに、その農婦の腕に夕光が差しているという、これも注意をひく光景で、つまり焦点が3つあるのですね。たった31シラブルの中で3つの主題 […]

歌の焦点

「職はなれこたつにはまり歌詠むに冬の日の出の光まばゆき」(詩男さん2003/01/22) お宅から海が見えるのですね。しかも東の海で、朝日が見られる。いいですねー。(そうか、神戸あたりならあり得ますね。)「まばゆき」か「まばゆし」かですが、どちらも使います。前者は連体形止めで(「まばゆき光」の転置形)、やや余韻を残す形。後者は終止形止めで、一応言い切る形ですね。結局語感の問題でしょう。  歌ですが […]

歌の焦点

「稲田ではカルガモ放す無農薬家族の絆タフに伝わる」(夢子さん2002/09/20) 「タフ」がやや異様に目立ちますね。それに「タフな絆」と言うところを「絆」が「タフに伝わる」とされたのはどうしてでしょう。「タフだと思えるように伝わる」ということですか?それなら「タフな絆が伝わる」でいいですね。歌中のカルガモは害虫を食べてくれるのでしたね。つまり農薬の替わりにカルガモを使っているわけ。それによって稲 […]

歌の焦点

「歌ひとつ詠みたき梅雨の昼下がりよみきれぬまま何時かまどろむ」 (桐子さん2002/07/03) 前作に続いてこれもうまい。確かにこの歌では「ひとつ」がいいですね。歌というものがよく解ってきましたね。「よみきれぬまま」の「よみ」は漢字がいいでしょう。「詠みきれぬまま」。行為をはっきりさせるには漢字がいいですから。前に同じ文字がありますが、気にならないし、むしろそれを受けたことがはっきりしていいです […]

歌の焦点

「紫陽花をカメラに収むシルバーの淡き残り香われを魅了す」 (多祢子さん2002/06/26) 短歌は一首で対象の状況から言いたいことまで詠まなければなりません。主題は一つに絞ることが必要でしょう。  この歌だけから添え書きに言われていることを読み取るのは不可能ですね。「シルバー」とは、添え書きによれば初老のご婦人のことなのですね。それが解かっても、歌の前半と後半が意味的に繋がりません。こういう時は […]

歌の焦点

「五月吹く風の奏でる若夏の庭に集いて雀も憩う」 (きょうこさん2002/05/31) 色々と詠み込もうとして語の運びが少しぎこちないですね。短歌は詩と違って字数制限が厳しいですから、主として表現したいことに焦点を当てることが肝要。あとはそれが生きてくるように語を選ぶのです。 添削: 「五月尽風は初夏(はつなつ)運びつつ庭に雀らつどひて遊ぶ」 (きょうこ)

歌の焦点

「手をつなぎ歩きし我が子 学び舎へ見守られたる園あとにして」 (きよしさん2002/01/16) この歌、いつも手をつないだりしてまつわりついていた幼い子が小学校へ上がるんだという感慨と、色々お世話になった幼稚園への感謝の念とがだぶっていますね。こうした場合、短歌ではどちらかに絞って詠むとうまくゆきます。両方を詠み込むこともできますが、焦点がぼけて、先生へのお礼の歌としては弱くなるのです。(あるい […]

歌の焦点

「我が夫の病床に 見舞いし友の花束 水仙からあじさいへ」 (加奈江さん2002/01/13) 「病床の夫に会いし早朝の 窓辺に見ゆる寒椿 我と同じか頭重たげ」 (加奈江さん2002/01/13) なるほど、いずれも思いが余って、短歌になっていませんね。(内容は深刻であり、うまくまとめれば人の胸深くを打つ、いい歌になるはずです。)こういう時は、一番詠みたいことは何か、を自問し、それに焦点を当てて作歌 […]