新仮名遣いと旧仮名遣い

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基本的には統一を

添削:「虚と実を行き来するやうな日暮らしを如何にとかせん 陽はまた昇る」(すずむし) 添削ありがとうございました。何気なく使っている文字の意味がはっきりしてきて、嬉しくなります。また、口語、文語が入り乱れてしまうのですが、統一した方がいいのでしょうか?口語はともかく、文語は恥ずかしいのですが、正直、いい加減です。不慣れで、耳にうろ覚えの状態で使ってしまうので・・・ 如何にとかせん と直し […]

全体としての語の流れや音感も大切

横から入りまして恐れ入ります、なぜ甦りおりは甦りたりがいいのでしょうか?それと赤とんぼの群れは赤とんぼ群れてがいいのでしょうか?よろしくお願いします。(随真筆) ご質問があったようですが、 元歌:「休耕田は甦りおり黄金波(こがねなみ)に赤とんぼの群れダンスを踊る」(りこりこ)添削:「休耕田は甦りたり黄金波(こがねなみ)に赤とんぼ群れてダンスを踊る」(りこりこ) について、添削では「たり」とすること […]

「残す」は四段活用の動詞

「子の残せし学習ノートの余白には住所録あり亡夫の癖字で」(りこりこ) 昨日、 本棚の隅から子供が小学生だった頃のノートが出てきて白い所が勿体ないと思ったのでしょう、住所録になっていました。 下手な癖字も懐かしくて、しばらく見てしまいました。よろしくお願い致します。                 「...

漢字の使い方

「天城路に木々の芽吹きの音聴こゆ、たゆとう光りに山動き出す」(宋見) 「 光りあふれ木々に芽吹きの音を聴く天城は浅き春にざわめく」(宋見) 2月末、天城峠を越えると伊豆の海からの光りが鮮やかに山を照らし、木々の芽吹きの音が聴こえてくるように感じます。冬の眠りから山が目覚めのときを迎え、風にざわめいています。浅春の天城越えの楽しさです。 天城山と聞けば国定忠治を、また天城越えと聞けば同名の演歌(唄・ […]

新・旧仮名の混交は避けたい

「向かい家の電話のベルの止まざりてなんだか寂しく思える真昼」(お仙) 私の住んでいる団地は、あまり物音のしない団地です。特にお昼時は。そんな時、前のお宅から電話の音が聞こえてきました。ああ、お留守なんだと思いつつ、受け止める相手のないベルの音が虚しく聞こえました。 「止まざりて」とは?旧仮名にしても変ですし、ここだけ旧仮名というのはいただけません。一首の中での新・旧仮名の混交は避けたいものです。読 […]

詠み直し、あるいは推敲も勉強になります

「瞼閉じ君を想いし弾くピアノグノーのマリア静に微笑む」(月あかり) 彼と逢えないけれど、もしわたしがアベマリアを弾いたなら喜んでもらえると想う。マリアも静に微笑んでくれるでしょう。 アベマリア(Ave Maria)のアベは元々は「こんにちわ」「さようなら」といった挨拶ですね。マリアはもちろん聖母マリア(イエス・キリストの母;処女で懐胎したとのことですが)。聖歌・アベマリアは「聖母マリアへの祈り」の […]

旧仮名の合う歌

「年輪のような襖の下貼りの埃を払い胸躍らせる」(実華) 古文書調査は埃との戦いです。市から委託された旧家の襖は新聞紙や反古紙等何段にも貼ってあるのを丁寧に埃を払いながら剥がしていきます。いつ頃(何年)のどのような古文書が出てくるかワクワクします。 そういうお仕事ですか。それは困難なお仕事ですね。そういう古文書ですと、書かれてある文字も草書体か何体かもわからないようなものもあるのでしょうね。解読が大 […]

言葉が生命の短歌だから

「新しき色をほどこし粧へば見慣れた顔のやわらかくなる」(恭子) 久しぶりに新しい色の化粧品を買いました。色自体はダーク系ですけど、別の色で初めて化粧をする時は、何時も気分が浮き立ちます。普段の仏頂面も、何となく、微笑んで見えます。 これは鏡に向かって化粧している図ですね。顔が主体ですから髪の毛ではなく、口紅ですね? (旧仮名): 「新しき色をほどこし粧へば見慣れし顔のやはらかくなる」(恭子) (新 […]

サ行五段活用動詞

「私まで届いた歴史思うなり父の遺せし著書を読みつつ」(アン) 私の父は63歳で逝きました。死の直前に出した「枯草露滴」という本を読んで行くと若い頃にはわからなかった父の仏の教えを聞いてくれという思いがとにもかくにもこの私にまで伝わってきました。 ご父君の著書<枯草露滴>は随筆でしょうか、日記でしょうか、あるいは自分史でしょうか。お父さんの言葉といわれる「仏の教えを聞いてくれ」の意味、我々にはちょっ […]

「濡れる」と「濡るる」

「胸までの稲穂掻きわけ稗を刈る媼は露に濡れるを厭わず」(比叡) 稲の間に生えている稗を刈るため媼は露の降りた田圃に入りて露に濡れながら作業をしてしていました。農業の仕事の忙しさ、辛さを目の当たりに見ました。宜しくお願いします。 この場合、稗(ひえ)は夾雑物以外の何物でもないわけですね。刈り除く作業は大変そうですね。 「胸までの稲穂掻き分け稗を刈る媼は露に濡るるを厭はず」(比叡) 添削の「濡る」の活 […]