5.文法などについて

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代名詞「の」の省略

「傾いた墓地に香煙立つを見る鈍行の車窓に冬晴れの朝」(劫) 先週の土曜日、少し電車を乗り継いで鰻を食べに行ったときの風景です。鈍行列車なのでゆっくり走っており、車窓から墓地に線香の煙が立っているのが見えました。文法的におかしかったり(立つを見るの部分)、つながりがわかりにくかったりするかな、と思うのですが、感覚に委ねて上記のようにまとめました。添削の程、宜しくお願い致します。 「傾いた墓地」とは斜 […]

詠み直し、あるいは推敲も勉強になります

「瞼閉じ君を想いし弾くピアノグノーのマリア静に微笑む」(月あかり) 彼と逢えないけれど、もしわたしがアベマリアを弾いたなら喜んでもらえると想う。マリアも静に微笑んでくれるでしょう。 アベマリア(Ave Maria)のアベは元々は「こんにちわ」「さようなら」といった挨拶ですね。マリアはもちろん聖母マリア(イエス・キリストの母;処女で懐胎したとのことですが)。聖歌・アベマリアは「聖母マリアへの祈り」の […]

旧仮名の合う歌

「年輪のような襖の下貼りの埃を払い胸躍らせる」(実華) 古文書調査は埃との戦いです。市から委託された旧家の襖は新聞紙や反古紙等何段にも貼ってあるのを丁寧に埃を払いながら剥がしていきます。いつ頃(何年)のどのような古文書が出てくるかワクワクします。 そういうお仕事ですか。それは困難なお仕事ですね。そういう古文書ですと、書かれてある文字も草書体か何体かもわからないようなものもあるのでしょうね。解読が大 […]

常套句

「天高く穂高の山脈(やまなみ)白く初み紅葉の里から冬を見ゆ」(伊那佳) (天高くアルプスの山脈白く初み紅葉の飛騨路に冬のおとずれ) 紅葉を見に安房トンネルを抜け新穂高ロープウエーで西穂高口(2156m)から北アルプスを見ました。里の紅葉は遅く、山の頂は初雪が積もり冬景色でした。(冷たい秋雨の後の好天気でした。この初雪で穂高で遭難者が出ました・・山は怖い) 初句の「天高く」は余りにも使い古された常套 […]

時代によって変化する文語

「しめやかに二人に降るる花の雨煌らかな日も共にや去らぬ」(理絵) 初投稿でドキドキしてます。おっちょこちょいな者でBBS2とBBSがあることを知らずに2の方に一度投稿してしまいました。。初心者なので改めて投稿します。 元々詩をよく書いていましたが、短歌も少し書くようになりました。今とは季節外れになりますが、以前春に書いたものです。まだ文法的にどうしようか思案しているところなので、何かアドバイスがあ […]

「や」と「か」の使い分け

「入国に二時間余りの検問所チエコはEU圏にあらずや」(比叡) ドイツからチエコに入国するとき二時間待たされました。まだ社会主義の改革が充分ではないのかと思いました。結句の「や」「か」の一般的な使い方について教えてください。宜しくお願いします。 「や」、「か」と言いましても色々な用法がありますね。おそらくここではご投稿歌の末尾にあるような用法(疑問、あるいは反語)に限定してのことと判断されます。上の […]

言葉が生命の短歌だから

「新しき色をほどこし粧へば見慣れた顔のやわらかくなる」(恭子) 久しぶりに新しい色の化粧品を買いました。色自体はダーク系ですけど、別の色で初めて化粧をする時は、何時も気分が浮き立ちます。普段の仏頂面も、何となく、微笑んで見えます。 これは鏡に向かって化粧している図ですね。顔が主体ですから髪の毛ではなく、口紅ですね? (旧仮名): 「新しき色をほどこし粧へば見慣れし顔のやはらかくなる」(恭子) (新 […]

他動詞は目的語が必要

「又今日も点滴室に横たえてぽたり静かな投与を受ける」(風子) 微熱がなかなかとれません。肺炎は完治したというものの。病院の点滴室には静けさが満ちています。 まだ点滴が必要なのですね。お大事に。。。お作で、「横たえて」ですと他動詞ですから目的語が必要です。「身を横たえて」。それでは字余りですが。「横たわって」なら自動詞ですからいいですね。 添削: 「今日もまた点滴室に横たわり投与を受けるぽたりぽたり […]

サ行五段活用動詞

「私まで届いた歴史思うなり父の遺せし著書を読みつつ」(アン) 私の父は63歳で逝きました。死の直前に出した「枯草露滴」という本を読んで行くと若い頃にはわからなかった父の仏の教えを聞いてくれという思いがとにもかくにもこの私にまで伝わってきました。 ご父君の著書<枯草露滴>は随筆でしょうか、日記でしょうか、あるいは自分史でしょうか。お父さんの言葉といわれる「仏の教えを聞いてくれ」の意味、我々にはちょっ […]

「濡れる」と「濡るる」

「胸までの稲穂掻きわけ稗を刈る媼は露に濡れるを厭わず」(比叡) 稲の間に生えている稗を刈るため媼は露の降りた田圃に入りて露に濡れながら作業をしてしていました。農業の仕事の忙しさ、辛さを目の当たりに見ました。宜しくお願いします。 この場合、稗(ひえ)は夾雑物以外の何物でもないわけですね。刈り除く作業は大変そうですね。 「胸までの稲穂掻き分け稗を刈る媼は露に濡るるを厭はず」(比叡) 添削の「濡る」の活 […]

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