時代によって変化する文語

「しめやかに二人に降るる花の雨煌らかな日も共にや去らぬ」(理絵)
初投稿でドキドキしてます。おっちょこちょいな者でBBS2とBBSがあることを知らずに2の方に一度投稿してしまいました。。初心者なので改めて投稿します。
元々詩をよく書いていましたが、短歌も少し書くようになりました。今とは季節外れになりますが、以前春に書いたものです。まだ文法的にどうしようか思案しているところなので、何かアドバイスがあればお願いします。

理絵さんは十代ですね。詩を作るとのことですが、それなら詩才十分ですね。短歌も詩の一種、臆せずどんどん詠んで下さい。これは最初の一首ですが、恋人とのデートの様子かな。「降るる(花の雨)」は文法的に問題あり、また「去らぬ」の「ぬ」は、「去る」の未然形についているから否定の意味になり、真意に合わないのでは?歌の意味は、雨のように散る桜の花とともに、二人のこのきらめくような日々も去っていくのかなあ、、といったところですね?(そういうことを詠んだつもりですね?)
添削:
「しめやかに二人に降りくる花びらのきららかな日もやがて去らんや」(理絵)

添削ありがとうございました。歌の意味はおっしゃる通りです。
三好達治の「甃のうへ」と私の好きな歌を参考にして、無常観を表現したく書いたものです。
文法的なところですが、「降るる」というところに問題があるとは思っていませんでした。。
「降る」は4段活用で連体形の場合「降るる」となる、というのは私の思い違いでしょうか。文語で書くのには少し勉強も兼ねているので、良かったら具体的に教えてください。
「共にや去らぬ」は「や」が係助詞で反語として、強調したかった部分です。いろいろと考えて迷っていたのですが、改作していただいたものの方が、分かりやすいですね。参考になりました。
これからもよろしくお願いします。

『文法的なところですが、「降るる」というところに問題があるとは思っていませんでした。。「降る」は4段活用で連体形の場合「降るる」となる、というのは私の思い違いでしょうか。文語で書くのには少し勉強も兼ねているので、良かったら具体的に教えてください。』
に答えていなかったようですね。改めて、ここに回答しておきます。文語として、動詞の「降る」(終止形)はラ行四段活用ですね。これの変化は<降らず、降りて、降る、降る時、降れば、降れ>で、つまり語尾が<ら、り、る、る、れ、れ>という変化で、(ら、り、る、れ)と四段に変化しますね。ですから、連体形は「降る」で(終止形と同形)、お作では「降る(花の)雨」が正しいのです。ただし、完了を表す助動詞「り」を使って「降れる」とすることは出来ます。この「る」は四段には已然形に付くので、「降れる(花の)雨」ならいいですね。これは「降った(花の)雨」という意味になりますが。

文法の説明ありがとうございました。「るる」になるのは下二段活用でしたね。「降れる(花の)雨」としても「り」という助動詞には完了と存続の意味があるので「降っている」の訳にはなる気がしますが。ただ、文法というのも勉強してみると時代によって使われるものが違うので、今文語として使うのにはどれを使うのがふさわしいのか考える時があります。基本的に奈良時代の文法というのはあまり使われておらず、それ以降の文法の決まりが現在の「文語」に当たるものかと思われます。
そうですね。そのあたり説明が不完全でした。「降れる雨」で、「降った雨」だけではなく、「(今も)降っている雨」、という意味も含んでいると解することも出来ますね。どちらかは、前後関係から判断されるべきものですね。存続を表すとの解釈は「降れる」を「降りある」の短縮形ととることから出てきます。なお、おっしゃるように、文語は時代によって多少変化していますが、特定の時代を前提とはせず使うようです。一首ごとで、最適な用法を、ということですね。