7.その他

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咲き満つる

「ハナミズキ咲き満つ路をそぞろゆくポトマック河畔のサクラを胸に」(がんてつ) アメリカから贈られたというハナミズキですが、今では並木としてアチコチの路で美しい花を魅せてくれています。一方アメリカへ渡ったサクラも、ポトマック河畔に大きく育って人々を魅了しているそうです。双方が戦争という時代を過ごしましたので、抜かれたり折られたりの妨害にあったようですが、それを乗り越えていまが在る事を後になって知りま […]

二首連作として生きています

「姑作る鎌倉彫りの器にて自身最期の元旦祝う」(たかこ) 「ままならぬ身体をおこし重詰を、美味しくきれいと言い呉れし姑」(たかこ) 昭和60年1/6日義母逝去いたしました。病院で死にたくないと言いその年の元日苦しむ姿お気の毒でしたが義母の手作りの鎌倉彫りの重箱におせち料理に腕をふるいました。その間も私の名前を何度も振りしきる声で呼んでくれていました。義母は手早くお料理の腕前もよく、色々教えて頂きまし […]

一首では無理

「巨大鍋三杯分の豚汁で心身温む義父の畑(はた)にて」(麻里子) いつも御指導ありがとうございます。義父は,市民農園で本格的に野菜を作っています。そこの芋煮会で,畑をやっている方々が豚汁を大量に作ってふるまってくださいました。準備にも相当な時間がかかったと思います。心身とも暖まりました。 いかにも美味しそうな豚汁ですね。巨大鍋三杯分の豚汁を作って大勢に振舞うほどに、義父さん、大掛かりな野菜作りをされ […]

一首一首が独立した短歌

「スティチールの簡易ステップ踏みしめて80m一気に下る」(文) ダムサイトでの説明の後、見学のためダム底まで下りました。この情景は独立した一首では意味を成しません。連作としてはじめて分かるのですが、連作の場合でも、やはり一首の独立性が必要でしょうか?それにしても、これだけでは、ダム底に下りたことも分かりませんね。 「スティチール」とは?「スティール」(鋼鉄)のミスかな?連作の場合でも一首一首が独立 […]

短歌と記号

「雪の上にころんとひとつ栗の実が いのししたぬき食べにおいでよ」 (f_blueさん2003年12月28日) 青空がのぞく昼下がり、いつもの散歩道で、雪の上にぽつんとひとつだけ栗の実が落ちていました。高枝に残っていたものが、夜来の雪で落ちたのでしょう。しかもイガからもこぼれでていて、ぷりっと丸いつやつやした実でした。 年末の忙しさの中で、ふと気を緩めたいことがあるのでしょう。そんな気分のときに雪の […]

短歌界固有の差別語表などありません

「乞食」と言う言葉は今では差別語ではないでしょうか?そうだとすると使用すべきでないと思われます。もっともこの歌の場合「ホ?ムレス」が相応しいとも思えませんが。 私が関係する医療界では使うべきでない差別語がとりわけ身体障害に関連して数多くあります。「めくら、つんぼ、びっこ、気違い」などです。差別語ではありませんが「精神分裂症」も誤解を招きやすいと言う理由で昨年から「統合失調症」に変わりました。「痴呆 […]

添え書きはなるべく簡潔を旨としたい

添え書きはなるべく簡潔を旨としたいですね。短歌というものは、短歌だけで、しかも本来一首一首で成り立つものです。歌が詠まれた経緯とか、背後にある作者の個人的な事情とは無関係に、歌の鑑賞者(読者)は自分の個人的な精神世界の中で作品を鑑賞する。これが原則です。(もちろん、場合に応じて、最小限の説明が必要なこともありますが。)ですから、しばしば歌の作者の意図とは全く違うものとして鑑賞されます。作者は読者の […]

添え書きの文体

(添え書きをつけてみました。ところで、この添え書きは添削していただくためというよりは状況説明というか、これが無いと意味が通じない歌となっていますがそのあたりはいかがなものでしょうか?また、添え書きもこのように文体を同じにすべきなのでしょうか?)。 わが妻の生き別れの父と再会せしことを詠める歌 「瞬時にて埋まりし父と娘の溝に十年分の涙流れむ」(まことさん2003/04/05) 歌の前の添え書き、古歌 […]

うまく使われた例

「萩寺と言へども今は境内に椿や梅がはなやかに咲く」 (渓水さん2003/03/12) 出張で日本に来られた折の作品とはいえ、最近ご投稿の短歌を拝見していますと、とてもカナダに住んでおられるとは思えません。心は日本ですね。  歌の中の仲間とは、案外カナダの人なのでしょうね。「萩寺と言へども今は」という言い方は会話や散文ならいいですが、短歌では説明的あるいは理屈っぽいと思われそうです。むつかしいところ […]

歌ごとに判断すべき問題

本で読んだ中に、「ポツポツ」とか「ゆさゆさと」いった擬態語を使うと歌が幼稚になりやすい。とありましたが、先生はどのようにお考えでしょうか。(詩男さん2002年12月10日) 擬態語にも色々あります。一律に幼稚という言い方は、それこそ幼稚な論です。擬態語と一口に言っても、幼稚さを伴うものから、それ以外に形容の仕方がないと思われるようなもの、また思わずハッとさせられるような新鮮なもの、などなど、様々で […]

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