一読してスムーズにいかないとき

「母恋て吾がゆびを吸う仔猫だきつ外の面の花ながめる夕べ」 (美雨さん2002年3月30日

「だきつ」は「抱きつ」ですね。一読、このあたりがスムーズにいかない。こういう時は漢字表記がいいですよ。あるいは「いだく」を使うか。後半は、白秋の例の「ななきそなきそ」の歌を参照しましたね。 猫だって母が恋しい。ましてや・・・、の気分てしょうね。

添削:
「母恋ひて吾が指を吸ふ仔猫かな夕雨濡らす庭の花々」 (美雨)

(「外の面」は「とのも」。初句の「母恋ひて」が「吾」と「仔猫」の両方に係っているところが妙。)