名詞止め

「たたなわる山の落ち合うひとところ長く留まる晩秋の霧」 (葉月さん2002年11月18日
山岳部では、気圧の関係でこうした情景が時々見られますね。歌として、ほとんどいいですね。
添削:
「畳(たたな)はり落ち合ふ山の窪み地に永く留まる晩秋の霧」 (葉月)
結句、名詞止めとなっています。これを「晩秋の霧永く留まる」とすることも出来ますが(動詞で止めること)、その時は(擬人化法で)意志をもって霧がそこに留まるニュアンスが出ます。霧が(自然に)動かないでいる様を表現するには、思考停止効果を含む名詞止めがいいですね。そこまで分かって名詞止めされたとしたら、歌をかなり永くやっておられる証拠です。もっとも、この問題は微妙で、作者の好みも関係しますが。)