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梧桐学の「良い歌ですね」

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*--- 短歌の題名 ---*
1.正夢   幻の家族   お盆の後   遺影   ビ-玉   墓洗ふ   あるときは    朝の散歩   夏の日差し    青春と病
2.歩く速さ   耳を澄まして    鈴の音    盆提灯   良歌   メ-ル   翁長雄志    ねむり姫   睡蓮   S L
3. 五月の風   交換日誌    蕗の薹   水仙    老い二人    三年間は       車椅子   洗濯もの   鉄杭
4.妻の   点滴   麦秋   傘寿   春の息    清みゆく   枝垂れ桜    脳梗塞   胸の傷跡   年賀状
5.冬のひかり   大根   月光   百千鳥    スタ-トペ-ジに   さざ波   淡雪   無情の雨   姉妹   大根
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ビルの窓2007/02/18(日曜)

「夕映えの彼方を帰る鳥の群れ映してビルの窓は昏ゆく」(すめーちゃん)
ビルの窓は茜いろに染まり鳥の群れが吸い込まれゆく様に見とれていました。心に残しておきたい一首として詠みましたが、宜しくお願いいたします。


この鳥の群は、茜色に染まるビルの窓ガラスに映っているわけですね。鳥の群直接ではなく、ビルの窓ガラスに映った像に見入っておられるのですね。すめーちゃんさんの位置から、夕茜の空を直接見られなかったのでしょうか?「心に残しておきたい一首」とのことですが・・・。位置関係をもう少しご説明下さい。

説明不足ですみません。今年に入って三人もの大切な人の別れがありました。90代の恩ある奥様、60代の親友のご主人様、従妹の娘は30代とまだまだ若く三人の子供を残して逝ってしまいました。従妹の娘の葬儀の帰り道、高速道路を夫の運転する車で走っていて見た景色です。高層ビルの鏡の様な窓が茜に染まりその中を鳥の群れが吸い込まれるように消えてゆきました。つい自分の病の事を思い出して訳も解らず涙が出てしまいました。夫がぽつりと「大丈夫」と言いました。今思えば心に残しておきたい一首と書いてしまいましたが、死について取り乱していたのかもしれません。宜しくお願い致します。

そういうことでしたか。やはり実景ではなく、ビルのガラス窓に映る光景なのですね。そういう意味の実景ではありますが。多くの身近な人たちの死に遇われたあとだし、鏡面をなすガラスに映った光景だからこそ、余計に<死>の象徴のように思われたのでしょう。。。なるほどね。もっとも、ご自分のことに重ねられたのは、その時点では止むを得なかったにしても、もう大丈夫ですね。

添削(改作;旧仮名):
ビルの窓に映れり 鳥の群がいま夕映の中の闇へ消えゆく」(すめーちゃん)

(いい歌です。)


駅の鏡2007/02/08(木曜)

介添への疲れを母に見せぬよう駅の鏡に笑みてみるなり」(すめ-ちゃん)
今年に入って義妹と妹と私の三人が交代で母の所へ通っています。母は病弱な私の体を気遣って呉れて、常に大丈夫かと聞きます。そんな母に悟られぬ様に、駅の鏡に我が顔を映して実家に向かう日々の繰り返しです。記憶の途切れいる今も病弱な私の記憶は鮮明にあるみたいです。母親の愛に応えるため、自分自身のため、母を寂しくさせないように心掛けています。今日も母の短歌になりましたが宜しくお願い致します。


認知症の気もあるお母さんながら、病弱のすめ-ちゃんさんのことを鮮明に覚えておられるとのことですが、ありがたいですね。「母親の愛に応えるため、自分自身のため、母を寂しくさせないように心掛けています」とのことですが、しみじみとした母娘の愛ですね。お作、後半がいいですね。何かほろりとします。

添削:
わが疲れ母に見せまじ見舞ふ前に駅の鏡に笑みてみるなり」(すめ-ちゃん)

(いい歌ですね。)


穏やかな夕暮れ2007/01/31(水曜)

柔らかいガーゼのような夕映えに街から鋭い輪郭消える」(紗柚)
穏やかで良いお天気が続いています。夕空も春のように靄がかったようで淡いオレンジ色にブルーが残って本当にきれいでした。ふだんはくっきりと見える稜線も心持ちなだらかに見えました。また街ののビルや家の屋根、木々までもが柔らかな輪郭を持って夕暮れに溶け込んで行くような感じがしました。心も丸くなるような気持ちの良い夕方でした。

詠み直し:「柔らかいガーゼのような夕焼けに街から鋭い輪郭消える」(紗柚)
この場合、「夕映え」は不正確に思い直しました。辞書で確かめると夕焼けと同じ意味もあるようですが、どちらかというと「夕方の光に映えて物がかえって鮮やかにくっきり浮かび上がること」とありました。これでは歌の内容と矛盾するような気がしました。お手数ですがよろしくお願いいいたします。


これは相当に苦労して詠まれた歌なのでしょうね。「柔らかいガーゼのような夕映え」ですか。美しい表現ですね。「夕映え」では強過ぎると思って「夕焼け」に直されましたが・・・。

添削:
柔らかいガーゼのような夕ぐれに街から物の輪郭消える」(紗柚)

(いい歌ですね。)


儚くて2007/01/21(日曜)

「美しく」舞ひ落つ雪の儚くて降り積むことをしらぬがままに」(がんてつ)
昨日の昼頃、思わずオオッ〜!と声をあげるほどに美しい雪が舞いました。ほんの10分程のショーでしたが、積もるどころか地上の物に触れると同時に融けるという淡〜い淡〜い東京の初雪でした。


淡く可憐な初雪が東京に舞ったわけですね。これはもう春の淡雪ですね。

改作:
美しくひるがへり舞ひ初雪の地に着くせつなにはかなく消えゆく」(がんてつ)

(美しい、いい歌ですね。)



炭火の暖2007/01/20(土曜)

「炭熾り茶室に生まれるやわらかき温み楽しみ老いの茶点てる」(宋見)
私の茶室には電気の暖房やガス・灯油等の暖房は使っていません。炭火の温もりはやわらかくて、人に優しさをもたらし、一服のお茶の味も引き立ててくれます。狭い茶室は、炉の炭火だけで結構あたたまります。


さすがに茶室ですね、電気・ガス・灯油による暖房ではなくて炭火によるもの。。。おっしゃる通り炭火の温もりはやわらかいですね。我々がそれを忘れて久しいですが。しかも、火鉢とかではなく、炉の炭火ですね。なお、口語の「点てる」は文語では「点つ」です。

添削:
「炭熾り茶室に生まるるやはらかき温みよろしく老いの茶を点つ」(宋見)

(いい歌ですね。)


リズム2007/01/15(月木曜)

「小春日を歩む老夫婦の四本の手が揺れている 同じリズムで」(麻里子)
散歩しているらしい老夫婦を見かけました。同じリズムで生きてきたのでしょうか。とても美しく見えました。人生を歩んできたという意味と,歩いているので手が揺れているということがわかるように,二句を「歩む」としましたが,字余りが気になり,「行く」とするか迷いました。御指導よろしくお願いいたします。


永く連れ添った夫婦は、歩くリズムも自然に合うわけですね。手の振り方まで。。。うまく詠まれました。文句なしです。


ひとひらの黄落2007/01/13(土曜)

「観光バスの走り去る後ひとひらの黄落が追う故郷に向かい」(すめーちゃん)
夕方、観光バスが我が家の前を走り去りました。黄葉の木の葉が一枚バスを追いかける様に思え眺めていると、バスは母の住む方向へ消えて行きました。急に母が恋しくなり「明日行くね」と電話しました。宜しくお願い致します。


「黄落」(こうらく)は美しい語ですね。そのバスが行く方角にすめーちゃんさんの実家があるのでしょう。それで、そこに住んでおられるお母さんが急に恋しくなり、黄落が不意に切なさとなって・・・。


添削(新仮名):
「母の家のある方角へ去るバスのあとをひとひらの黄落が追ふ」(すめーちゃん)

(いい歌ですね。)



2006/12/26(火曜)

「老い母に手を差し伸べて欝の君の声に少しずつ光もどりき」(迷倫)
無気力と倦怠感が強い欝のために、数ヶ月も職場に出勤できない女性(独居)がいます。最近骨粗鬆症の母親を引き取って介護をするようになりました。疲れがまだ強いとのことですが、自分だけの世界に閉じこもっているのではなく、実親とは言え他者への思いやりとお世話をすることで少しずつ声にも元気が戻ってきた感がします。

その女性は「自分だけの世界に閉じこもっている」よりも他者と常に接しているだけだはなく、それが母親であること、責任を感じること、さらにやるべき仕事があり自分が役立っていることで、鬱から徐々に解放されて行っているのでしょうね。鬱という病の治療法として参考になりますね。

添削:
「老い母の介護をし始め鬱の君の声に少しづつ艶(つや)もどりゆく」(迷倫)

(いい歌ですねぇ。。。)


冬至を過ぎて2006/12/24(日曜)

「日の入りの一分伸ぶるを確かめて春の来る日をゆっくり待たむ」(紗柚)
冬生まれの私は寒さにも強いほうですが、やはりこの季節は慌しさもあいまってメンタル的に苦手です。そんな中楽しみは朝刊の暦欄で日の入り時間を前日と比べる事。冬至を過ぎると当たり前ですが一分ずつ日の入りの時間が伸びてゆきます。これからは少しずつ明るくなって春が近づくのだと思うとちょっとうれしくなります。


そうですね、冬至を過ぎて太陽の軌道が南回帰線からはずれ、どんどん北の方へ変っていきますね。

添削:
「日の入りの一分伸ぶるを確かむるは春来むことの日々の楽しみ」(紗柚)

(いい歌ですね。)


湯船2006/12/22(金曜)

「しがみつき喜びの声あげる母しっかり抱きて湯船に沈む」(アン)
足が衰えてきた母を介助してお風呂に入れました.「湯がしみとおるーっ」とよろめきながらも以外に腕の力は強い母をしっかり支えてゆっくりと沈むとき大切な宝物のような気がしました。


そうですかそうですか、かっては自分がだっこされたお母さんをだっこする番になられた・・。これ以上のスキンシップもないし、お母さんもうれしいことでしょう(湯に浸かるうれしさと相俟って)。「母をしっかり支えてゆっくりと沈むとき大切な宝物のような気がしました」・・眩しいような言葉ですね。

添削:
「しがみつき喜びの声あぐる母をしっかり抱きて湯に沈めけり」(アン)

(いい歌ですね。)


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