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梧桐学の「良い歌ですね」

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*--- 短歌の題名 ---*
1. 朝の散歩   夏の日差し    青春と病   歩く速さ   耳を澄まして    鈴の音    盆提灯   良歌   メ-ル   翁長雄志
2. ねむり姫   睡蓮   S L    五月の風   交換日誌    蕗の薹   水仙    老い二人    三年間は   
3. 車椅子   洗濯もの   鉄杭   妻の   点滴   麦秋   傘寿   春の息    清みゆく   枝垂れ桜
4. 脳梗塞   胸の傷跡   年賀状   冬のひかり   大根   月光   百千鳥    スタ-トペ-ジに   さざ波   淡雪
5.無情の雨   姉妹   大根   花火   秋晴れ   息子   秋風    天人菊    図書館   千の風
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確かな位置2008/04/19(土曜)

わが兄の享年となりし歳をいま夫は確かな位置にて歩む」(微笑女)
今までに度々詠んでいる私の兄は62歳で他界しました。2週間ほど前、夫は62歳になりましたが、日々元気で暮らさせていただけることに感謝しています。まだまだ存在が大きく絶対的な位置にいてほしい夫です。

ご夫君に対するこの絶対的な信頼感!・・はまた愛の深さ。。。

添削:
つひにわが兄の享年の歳となる夫(つま)なほ確かな位置占めて歩む」(微笑女)

(いい歌ですね。)


母の想ひ2008/04/09(水曜)

空想と回想のあわいに居る母が時に現で我が名を呼べり」(すめ-ちゃん)
母は縁側の籐椅子に優しい眼差しで座って居る時間が長くなり、会話も何時の事?と思う話が多くなりましたが、只ニコニコと相槌をうって母の傍で聞いています。時々私の名前をはっきり呼んで「弱いねえ」と病弱な私を悲しそうに見つめます。笑顔で元気よと言っておりますが、母親として何かを感じているのでしょうか、宜しくお願い致します。


お母さんにとって何とまあいい娘さんでしょうか・・・。そのお母さんに「弱いめぇ」と言われて、一瞬たじろぐ思いだったことでしょう。母は自分のすべてを見透かしていると。

添削:
空想と回想の間(あはひ)に居る母が時には現に我が名を呼べり」(すめ-ちゃん)

(いい歌ですね。)


染井吉野2008/03/26(水曜)

大戦時死に際美化して範とした染井吉野が咲き初むるなり」(広)
染井吉野が咲くといつもこう思います。お願いします。


戦死を桜の花が散る様子に仮託して散華と称して美化したことですね。

添削:
大戦中死を散華と言ひ美化せしこと染井吉野の咲き初めて思ふ」(広)

(いい歌ですね。)


買いたい物 2008/03/25(火曜)

やうやくに病癒えなむ春なれば買ひたし桜色のエプロン」(麻里子)
まだ、長時間キッチンに立っていると眩暈がしたり、疲れると息が苦しくなったりするのですが、おかげさまでこのところだいぶ調子がよいです。以前に比べれば家事もかなりできるようになってきたので、エプロンを新調したい気分です。「なむ」の使い方はこれで合っているのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。


そうですか、徐々にであれ体調は良くなっているのですね。それはそうでしょう、春です、春ですからね!エプロン、新調するなら明るい桜色、なるほど、最適ですね。「病癒えなむ」は、きっと癒えるであろう、の意味で、ぴたりですね。「癒ゆ」の連用形「癒え」に、確信を表す助動詞「ぬ」の未然形「な」が付き、それに推量の助動詞「む」が付いた形ですね。うまく詠まれました。明るい希望が満ちており、また「桜」も配されて美しい一首になっています。このままで十分ですね。いい歌です。


写真の父に2008/03/12(水曜)

「「暖かくなりましたよ」と我よりも若き父の写真を拭きぬ」(すめ-ちゃん)
ようやく春の陽気の訪れに部屋を開け放し念入りに掃除を致しました。父の写真もきれいに拭い、思わず暖かくなりましたよと独り言を言っていました。宜しくお願い致します。

北日本は今日などまた寒いようですが、われわれのところを含めて、お宅の方も暖かい日が続いていますね。それで、ついお父さんの遺影に声を掛けられたのでしょう。。。お父さんは早く逝かれたのですね。お作、詠えそうでなかなかこうは詠えない、深いさりげなさがいい歌ですね。(第四句が字足らずですが、気になりません。)



初蝶2008/03/05(水曜)

初蝶が花を渡りぬ春風の奏でるリズムの音符のやうに」(がんてつ)
もうモンシロチョウのお出ましです。パンジ-その他を一巡りしていなくなりました。


こちらではウオ-キング中に黄蝶を見掛けました。ちょっと小振りでしたが・・・。ところで、音楽にはメロディ、リズム、ハ-モニ-の三要素がありますね。お作では、これのうちのどれが主要ということではなく、「音符のやうに」がポイントですね?無音だから「リズム」を選ばれたのかもしれませんが。。。それにしても、ひらひらと頼りなく舞う蝶を、楽譜の音符になぞらえられたこと、感心しています。

添削:
初蝶が花わたりをり春風の奏づる曲の音符のやうに」(がんてつ)

(いい歌ですね。)


落ち椿 2008/03/04(木曜)

還淨の題名つけて描きたる人は逝きたり落ち椿累々」(アン)
今日は萩の笠山の落ち椿の群生林を歩きました。義弟が最後の命を振り絞って描いた絵を思い出しながら。


<還淨>ですか。素晴らしい題名ですね。椿林におびただしい落椿・・・が描かれていた?「義弟が最後の命を振り絞って描いた絵」とのことですが・・・。最後まで創作意欲を駆り立てられたご義弟さん、敬服します。

添削:
<還淨>とふ画題に因りて描きけり義弟は逝きて落ち椿累々」(アン)

(いい歌ですね。)


雪だるま2008/02/26(木曜)

少年期に友と作りし雪だるまが今も融けずに吾の中に在る」(がんてつ)
雪の話から故郷出雲の雪の話になって、想い出したのが、友と田んぼに作った大きな雪だるまの事、不思議なほど鮮明に覚えています。


記憶というものは不思議ですね。すぐに忘れて二度と思い出すこともない過去の事象が多い中で、異様に鮮明に記憶に残っている事柄もあります。がんてつさんの場合、ここでは少年時代にかって友人と一緒に作られた大きな雪ダルマがその一つなのでしょう。(わたしの場合の一例は「殯笛」の文字です。随分以前に誰かの著書で見、強烈な印象で今も鮮明に残っているこの不吉な文字、実は「虎落笛」のミスだったことが、昨日の小百合さんのご投稿で分かりました。ただ、深夜に聞くあの音は、どうみても虎落笛と言うより殯笛なのですが・・・。)ともかく、今回のお作、いい歌ですね。がんてつさんの現況を背景に読むと、一層そう感じます。


蕗の董2008/02/16(土曜)

ときめきて蕗の董摘むこの丘に淡き緑のぽつぽつと春」(アン)
今年もそろそろ出ているだろうと来て見たら、丘のなだりに蕗のとうが沢山出ていました。一つ摘む度に春の香りが嬉しくて。


もう2月も半ばですからね、蕗の薹が出てきても不思議ではありません。。。ですが、まだまだ寒い日が続いています。

添削:
丘に来て蕗の董摘むときめきの淡き緑にぽつぽつと春」(アン)

(いい歌ですね。)


ひとりぼっち 2008/02/10(日曜)

降りしきる雪に大地と空が溶け私は明るくひとりぼっちだ」(優子)
あおぎり先生の昨日のコメントに「お作の『降りしきる雪が切り取る景色』」がわからない」、とありました。私もこれはわかりにくいなぁ、と思いながら投稿したので納得です。雪景色って自分が自分の気持ちに向かってしまう何かがある、と昨日の帰り道に感じました。独りぼっちだなぁ、と思ったのです。重い孤独感ではないのです。雪って温かい冷たさがある。それと似てる気持ち。みんなに繋がってる孤独感。あ〜、うまく言えません。昨日の歌の「君」は、夫であり、息子であり、友だちであり…あおぎり先生やゆう子さん、ものぐさに集う歌友のみなさんなど私の大切な人たち全員です。


まあよく言うことではありますが、人間は一人で生まれ一人で死んでいきますからね、そんな本源的な孤独感は、平生は隠れていますが、誰にも常に意識の底にあるのかも知れません。。。前作の「君」に関するコメント、いかにも優子さんらしいと思いました。

添削:
降りしきる雪に大地と空こんとんその混沌に紛れてひとり」(優子)

(これもいい歌ですね。)


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