社会詠

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今日の歌 

  • 2003.06.30

「6月ももうおしまいと溜息を衝くがとくだん焦燥はない」 「紫陽花があぢさゐ公園に蔓延し五十がほどの異種の華あふる」 「万を超すアジサイ一斉に花ひらき豪華絢爛に衰へむとす」 「くさぐさのアジサイの中に紅色の<アリラン>の名を忘れ得ずをり」 「三ヶ根山スカイラインは両側をアジサイで飾り自動車(くるま)を慰撫す」 「一つ死が大事件なる今の世にフィリピン戦死者の数を言はうか」 「やすやすと記すものかな日本 […]

今日の歌

  • 2003.06.22

「家々のびっしり詰る街の朝も意外に多し鳴く鳥類ら」 「大玉の去年の華よ我が家では紫陽花今年は矮小化せり」 「君を詠まん昂(たかぶ)りの中テレビでは石油利権争奪戦の話」

今日の四首 

  • 2003.05.17

大分からの帰路。(これまで何度も行き来した航路なのに、今回初めて関空の全容を上空から雲間に見た。それを記念?して一首。) 「わが機いまいづこを飛ぶかと小窓より見れば地上に<かんさい>の文字」 (関空の施設の平らな屋上?に、白い文字で大きく<かんさい>と書いてあります。名古屋空港に近づくにつれ飛行機は高度を徐々に下げており、上空3、4千メートルからもはっきりと読めました。上空から読めるように書いてあ […]

今日の四首

  • 2003.04.28

多治見散策二首:- 「この狭き路地に窯元あふるるを <幸兵衛窯>は卓男が持ち窯」 「豊造が唐九郎が幸兵衛が生命(いのち)を形に作(な)したる陶芸」 (注:卓男=加藤卓男、人間国宝、幸兵衛窯六代目当主;豊造=荒川豊造;唐九郎=加藤唐九郎;幸兵衛=加藤幸兵衛(幸兵衛窯五、七代目当主)、いずれも多治見ゆかりの稀代の陶芸家) --------- 「大衆がヒットラーに熱狂せし時期ありしこと人学ばずや」 「今 […]

今日の五首

  • 2003.04.16

「若者の嬌声の中に仰ぐ月青く満ちつつ泣き顔を秘む」 「若者ら清き声にて騒げればかの頃のわれ俄に恋し」 「わかし我若しと常に思ひ来しに<時>の魔性を我が如何せん」 「うすみどり桜並木を覆ひきて霞む空こめ汝(な)が愛満ちよ」 「ネオコンはベトコンならず力のみ正義とみなす現代の悪魔」 (注:ネオコン=新保守主義集団。アメリカの富と権力を牛耳る新興の集団。ユダヤ系富豪が多く、ブッシュを大統領に担ぎ上げ、今 […]

嘆き

  • 2003.04.13

「メソポタミア七千年の遺物また人類遺産が見事に壊滅」 「戦争では色々起こるとひと言(こと)のみ。人類遺産を壊した国が」 アメリカという国: 「テロに怯え他国の蒙る苦しみを解らうとせずニ国を破壊す」 アメリカへ: 「出て来ない大量破壊兵器のため君は一国を破壊したのか」 アメリカの論理: 「出て来ない悪魔の兵器はまあいいじゃん、<自由>を与えてやったのだから」 この無知・身勝手さ。無知は時には罪悪であ […]

不穏なる未来9首

  • 2003.04.02

「軍人は命(めい)に従ひ動くのみ そを操れる<悪>はいづこに」 「バクダッド占領せんと前進せる米軍あはれ殺戮が待つ」 「侵すためただひたすらに空爆す 力の前に世論もさ蝿」 「住宅も病院さへも爆撃し いかなる正義があるといふのか」 「日常化既成事実化さるるほどに<侵略>といふ事実も隠る」 「目閉づればさまざまな音聞こえきて例へば砂漠をわたる絶叫」 「米国のイラク侵略戦争を忘れむとてか花の絢爛」 「紫 […]

今日の五首

  • 2003.03.23

「風もなき春の川辺を妻と行き染井吉野の蕾に手触(たふ)る」 「川沿ひに三色スミレの花さかる水面(みなも)奔(はし)るは白鷺の影」 夫婦鴨ぬるむ川面に睦みをり二つ波紋を交はらせつつ」 「莟(つぼ)みゆく桜並木の間(あはひ)にて匂ひを起こす沈丁花あり」 「蒼穹(さうきゅう)に花を吹雪かせ立つ風の怒涛となりて戦火鎮めよ」

今日の六首

  • 2003.03.17

「思ふことさまざまにして背後より昇る円月に押されつつ歩む」 「パソコンを使ひこなせる妻をりて吾がHPもいつしか膨む」 「電話にて雨かと妻に問ふ雨は一昨日の記憶とも思ふ」 「中庭の池にて水を撥ぬる魚(うを)と広がる波紋が灯火にキララ」 「拳(こぶし)上げて威嚇をしつつ武装解除イラクに迫る 爆撃近し」 「期末にて事はしづかに静かに進みマグマは胸の奥に渦成す」

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