苦渋
- 2024.02.28
感情の袋をしぼり絞りては泌み出(づ)る苦汁をいかにとかせむ
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
感情の袋をしぼり絞りては泌み出(づ)る苦汁をいかにとかせむ
とどろきて吾が裡に住む雷(いかづち)のあばるる時し寂しかりけり
鬱屈する心に美音を流しこみ晴れゆく過程をカタリシスと言ふ
感情を絞りしぼりてしたたれる甘露の雫を舌に受けばや
この宇宙で最も近きは自(し)が背中、最も遠きも吾が背中にて
さめざめと汝(なれ)が名を呼ぶ幻の小野小町を抱(いだ)かばいかに
さわさわと美音の流れ止まざれば脳髄の皺がほどけゆくなり
新年の一月一日は干支(えと)初めの「甲子」(きのえね)にしてめでたかるべし (実際には大災害や大事故から始まりしは天の戒めか。)
「はらわたの如く赤し」と詠みし人の眼(まなこ)になりて夕べの雲みる (学生運動さかんなりし頃の高野公彦の作:「ゆきゆきて野のはての雲にんげんのはらわたのごと赤きを見たり」)
識閾の奥の奥のまた奥より光ともなひ聞こえくる音