美しきかな
- 2023.11.10
あるときは数多(あまた)の枯葉を振り落とし美しきかな万華の紅葉
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
あるときは数多(あまた)の枯葉を振り落とし美しきかな万華の紅葉
紅葉(もみぢ)せる花水木が日々葉を落とし陽の湯浴みせむとか裸になりゆく
朝の陽(ひ)受け火と燃ゆる花水木の紅葉をさらに際立たせ穹(そら)ま青(まさを)なり
ささやかなプランターの花に揚羽蝶紋白蝶がひらめき止まず
夜雨明けて全き青空を風わたり新緑躍りて光(かげ)チラつかす
風強く人家の上に宙たかくカラス威しの凧が暴るる
深緑のあふるる中に白き糸 滝は一筋(ひとすぢ)にて自然を領す
近隣の延命地蔵の祠の前 たが忘れしか帽子寂しげ
ごく薄き白布おほふや晴れながら全天かすかに霞む晩冬
これほどに美しきもの他にあらじ広大なる実り田に陽はそそぎゐて