景色・風景

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今日の二首

  • 2004.03.06

「朦朧と湯に浸かりつつ感じをり わがユートピアは意外に近い」 「朧月といふには薄き雲透きてをを満月が下天に微笑む」 (一首目で「わがユートピアは意外に近い」は口語体ですが、ほとんど呟きということで、あえてそうしました。この場合は、どうみても「近し」より「近い」が合います。二首目の「をを」は「おお」「おう」「おー」と同義です。)

今日二首

  • 2004.02.21

不況倒産: 「防音のカバーに囲まれその中に崩されてゆく大型ビルあり」 ------ 「街に見る冬の太陽はいびつなるビル外形を焦がしつつ墜つ」

今日の歌

  • 2003.12.10

「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]

今日の歌

  • 2003.11.11

「静寂の公園妻と散策す苦苦苦苦と鳴く山鳩いづこ」 (高松・栗林公園) ------------------ 「見の限り稲穂ことごとく刈り取られ腹の底より虚しさ突き上ぐ」 「朝より雨雲重くのしかかり山頂の城が見え隠れせる」 「迂回路の畦道行きて白鷺の茶色翼の若鳥おどす」

今日の3首

  • 2003.08.11

「風さほど吹かざりしかど構内は青葉の切れ端広く散らばる」 「増水し濁れる池に鴨家族水草の辺(へ)に寄り添ひて鳴く」 「嘆くとも見えて 満月おほふ雲裂けたる縁に光の滴」

今日の歌 

  • 2003.08.02

「渡りゆく長良川上花火乱舞 西に三日月しんと鎮まる」 これは実景をそのまま詠んだ歌です。だから「渡りゆく」も事実そのままで、細工なしですよ。花火が打ちあがるのは東の方で、西にたまたま三日月。三日月だったからよかったわけですね。「しんと鎮まる」が生きる。これが満月だったら、これも結構派手ですから、歌の感じや趣旨も変わったものとなったでしょう。 もちろん、いつもいつも事実として目に見える物だけを詠うわ […]

今日の歌

  • 2003.07.30

「梅雨の雲抉(こ)じ開けのぞく夕空の紺の深みに金魚泳げり」 これは心象風景というもので、自分の心の中だけでしょうが、たしかに金魚の泳ぐのが見えたのです。文字通りの金魚、つまり金色の魚が泳いでいました。久し振りに見る紺青深い空に心が感応して、きらきらの魚を泳がせたのに違いありません。もちろん、多少の遊び心もあります。 「ひとしきり落ちし雨去り緞帳を引き上げしごと満天の星」 「梅雨明けをことほぐやうに […]

今日の歌

  • 2003.07.20

「慈雨含み雑草(あらくさ)繁る河土手に黒糸蜻蛉(くろいととんぼ)が群なし遊ぶ」 「暗雲に圧(お)し拉(ひし)がるる木曽川の鉄橋を重く貨車が行く音」 「梅雨明けず水位高まるおほ河は渦巻き解(ほぐ)ししづかにくだる」 「水際に胴長きボート繋がれゐて逝かせて呉れよとロープ頻(しき)引く」 「田園は緑緑(あをあを)とまた瑞瑞(みづみづ)と稲育ちつつ 世は事もなし」 「わが脇にノートパソコン覗き込む妻の意図 […]

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