雨後の朝
- 2022.06.07
夜雨明けて全き青空を風わたり新緑躍りて光(かげ)チラつかす
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
夜雨明けて全き青空を風わたり新緑躍りて光(かげ)チラつかす
風強く人家の上に宙たかくカラス威しの凧が暴るる
深緑のあふるる中に白き糸 滝は一筋(ひとすぢ)にて自然を領す
近隣の延命地蔵の祠の前 たが忘れしか帽子寂しげ
ごく薄き白布おほふや晴れながら全天かすかに霞む晩冬
これほどに美しきもの他にあらじ広大なる実り田に陽はそそぎゐて
あかあかと地平の大火と見るまでに日は落ち泥み雲を焦がせる
境内に幾本もたつ老楠(ろうくす)の大きく繁り合ひ神韻を奏づ 神池(かみいけ)に真鯉緋鯉ら交差して泳げる下ゆく金の大鯉
木曽川の河川敷より遙かなる御嶽山(おんたけ)撮るになほ煙うつる
落ち継ぎて紅葉(もみぢ)まばらとなりしいま花水木を透き通る女(ひと)見ゆ