景色・風景

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今日の五首

  • 2003.05.28

「雪柳一樹遅れて咲きたるが朝(あした)異様に匂ふ部屋まで」 「不満なり。御在所岳(ございしょ)、伊吹山(いぶき)、御嶽山(おんたけ)が晩春の靄に今日も隠れて」 我が子等の現況報告?:- 「経済出の長(をさ)の子変じてSEなり不況に無縁、多忙なりとぞ」 (SE=システム・エンジニア) 「片隅にいつも潜んでをりし次男いま溌剌と営業こなす」 「郵政が公社化されて一段と忙しさうな吾娘(むすめ)の職場」

今日の五首

  • 2003.05.21

「タンポポの冠毛幾多池岸にならびて未来を求め崩(く)えゆく」 「みどり児の頭支へて両腕におずおずと抱きうれしかりけり」 「世に出でてほんの三週間生きて来しされど赤子の眸(め)に真理(みち)やどる」 「次世代の次の世代が生まれ継ぎ気付けば人生瀬戸際に在る」 吾が過去生は・・・ 「要するに時間の波動が濃く淡く襲ふゆゑただ突き進み来し」

今日の四首

  • 2003.04.24

「濃厚な河靄湧きて赤電車行く鉄橋を包みゆく見ゆ」 「池の水濁れる中に緋の鯉のひるがへるとき花筏ゆれ」 「ガヤガヤと会話しながら六、七羽 鴨ら池から這ひあがり来る」 「嘴をつつき合ひつつ二羽の鴨対話してゐるサツキ咲く下」

今日の三首

  • 2003.04.21

「水色の空に浮かべる白雲に添ふは緑の花なる若葉」 ------ 「白き蝶無数に宿してハナミズキ水銀灯に激しく光る」 「何鳥か白きはばたきひらひらと二羽睦みつつ闇に泳ぐは」 ---

今日の五首

  • 2003.03.23

「風もなき春の川辺を妻と行き染井吉野の蕾に手触(たふ)る」 「川沿ひに三色スミレの花さかる水面(みなも)奔(はし)るは白鷺の影」 夫婦鴨ぬるむ川面に睦みをり二つ波紋を交はらせつつ」 「莟(つぼ)みゆく桜並木の間(あはひ)にて匂ひを起こす沈丁花あり」 「蒼穹(さうきゅう)に花を吹雪かせ立つ風の怒涛となりて戦火鎮めよ」

今日の三首

  • 2003.03.14

「山脈のさらに向かふに雪被(かづ)きπ(パイ)の視界に中央アルプス」 (注:π(パイ)の視界=180度の視界) 「パノラマに御嶽山(おんたけさん)あり乗鞍岳、伊吹山また御在所岳あり」 「目前(まなさき)の山肌おほひしんしんと降(くだ)るは雪とも雲とも分かず」

今日の短歌13首

  • 2003.02.09

「娘いま廈門(あもい)にあればわが妻は中国すべてに関心深む」 「地上より三百メートル上空へ実に静かにリフトは運ぶ」 (注:リフト=Lift、エレベーターの英国読み) 「為せば成る技術といふか十円玉立てて倒さぬリフトの動き」 以下クリックするとものぐさ写真館該当ページが開きます。ブラウザの戻るボタンで戻って下さい。 「ツインビル展望階に上り来て木曾御嶽山(きそおんたけ)をデジカメに収む」 「御嶽山( […]

今日の六首 

  • 2003.02.08

朝- 「前車なる後部ガラスにあざやかな虹立ち冬の日にひそむ春」 夜- 「雪がはや春雨となる今宵にて窓の油膜に灯が虹を成す」 「マリア様処女にて受胎の伝説はクローン技術の先駈けならむ」 「雨の粉闇に霧なし暗黒の宇宙にとよみてわが心(しん)鼓動す」 「肉体と精神といふ二元論ならず心は別といふ論」 「精神と心は別と言へる論ありて心のありやうを悩む」

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