今日の歌

  • 2003.12.16

「飛水峡、奇岩居並ぶ双壁の割れ目に深き藍色の川」 「妻と来ぬ 小春日和の日曜日ほかに人なきこの飛水峡」 「日々しとど枯葉おとせるメタセコイア先端はなほ緑(あを)きがままに」 「傍行けば鴨らぐわぐわ叫びつつ足取りよたよた吾に寄らむとす」 「煙草吸ひケイタイ掛くる様見えて隣車(となり)のドライバー実は女人なり」 「人工の星もかくやの輝きに暮れ初めし空に金星ひかる」 「西空に異様に光る金星を見詰むればそ […]

今日の歌

  • 2003.12.13

「中庭の園通りきて雑念にまとはりつきぬ山茶花の赤」 「幅広き虹の断片ゆらゆらと養老山系あたりより出づ」 「アクセス数50000に達しわが愛車50000キロ超ゆ 関係ないか」 「?(疑問符)がQとоとの象形とは知らず過ぎ来し それがどうした」 「『われわれはいづくより来し』は永遠の謎にして自明の些事とも覚ゆ」 「極大の宇宙を極微(ごくみ)の素粒子もて論ずる読めば子供に還る」 宇宙は閉ぢてゐるか:- […]

今日の二首

  • 2003.12.11

「日本列島晴れのち曇夜は雨忙(せは)しく変はるは天のみならず」 「幾人(いくたり)が自衛隊イラク派遣をば話題にせしや 日本は雨」

今日の歌

  • 2003.12.10

「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]

今日の3首 

  • 2003.12.09

「雲裂きてのぞく青空背景に残んの黄葉まばゆく微動す」 「ギンナンの産地は銀杏(いちゃう)の畑覆ひ黄葉やさしく柔(やは)く降り積む」 「銀杏樹の幹を取り巻き幾重にも積もる黄葉ひと色ならず」

今日の歌

  • 2003.12.06

東京にて:- 「やたら梅に因める多しと思ひつつ湯島天神境内を歩む」 「大観やら栖鳳の凡作並べたる湯島天神宝物館なり」 「懐かしや湯島天神境内に金太郎飴売る出店のありて」 「学問の神様とは言え<合格甘酒>はちょっとやりすぎじゃありませんか?」 「東風(こち)吹けど起こる梅ヶ香なけれども江戸の庶民の息遣ひ残る」 「境内の一廓にして梅林に窮屈なれど様佳きが並ぶ」 「新劇がお蔦主税の悲恋もの演じし記念とふ […]

今日の一首

  • 2003.11.29

流行はかくも早変わり・・・ 「女子高生<脱はにわ>といふトップ記事 われは<はにわルック>も知らぬ」 はんわルック・・・制服のスカートの下にジャージのズボンをはきます。丈は膝までだったりくるぶしまでだったりするようですが防寒としては良いのでしょうがファッションとは言いがたく思います。  泰女さんより

今日の歌

  • 2003.11.26

口語新仮名短歌:- 「あーきれいと妻が指差す紅葉(もみぢ)山サングラスにてさらに色増す」 ------------ 「早出(はやで)してサイドミラーに旭日(きょくじつ)が反射するさえなぜかうれしく」 「ドライバーを信頼し切った感じだな おばあさんよぼよぼ道路横切る」 ------------ 「路地裏をゆっくり行くに脇道より突如飛び出す無灯自転車」

今日の歌

  • 2003.11.19

「劇物の希釈もすらむ小流れに青鷺が佇(た)つ冬の顔して」 (新仮名短歌) 「この部屋に住んだ三十年の垢なのだろう持ち去っても破棄しても減らない書類」

今日の歌

  • 2003.11.16

妻と付近散策:- 「白鳥と化しし日本武尊の名が貧しき神社の看板に書かる」 「白雲ゆ光芒流す太陽へ翼焦がして消え逝く大鵬(おほどり)」 「妻と吾の影が斜陽にはかなくも路面に長く伸びたるを撮る」 「いづくにも道は這ひゐて限りもなし歩けど歩けど果見えず寂し」 「肉よりも骨は強きか漠々と肋(あばら)曝せる晩秋の田圃(たんぼ)」

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