今朝の一首 

  • 2004.03.19

「朝五時に消防サイレン疾走す行く手に千本桜燃えゐん」 消防車がサイレンを高々と鳴らしながら、桜の名所(わが街を貫く大江川両岸)方面へ疾駆していくのをベッドの中で聞いていたわけです。ですから、「千本桜燃えゐん」は一種の比喩的表現で、満開の桜並木がイメージとしてあり、それゆえに「消防サイレン」に対して「燃えゐん」で受けたものです。桜の名所は東方にあるので、朝日の逆光のなかに咲き盛る桜が眼に浮かんでいた […]

昨日の一首

  • 2004.03.19

「己とは現象なりと自覚せし宮沢賢治にわれ感応す」 (付け足しの独り言ですが・・・。食べ考え眠り働き物を書く自分というものも、その行動も、自然現象の一つだという自覚。頭での理解ではなく心底そう覚ったが故に、賢治はあらゆる動植物に、心底から、自分とまったく同等の命を見ることができた。いや、風にも水にも、あらゆる物に命を感じることが出来た。(頭ではそうだろうと理解しても、観念的には解かっても、心底からは […]

今日の歌

  • 2004.03.19

「テロの報聞くたび心の痛むなり汚泥のおほふ世界の平和」 「爆撃は最大のテロと誰か言ふわれもしか思ふ雛祭の日に」 「梅椿盛りなれども3月の地を伝ふ物の怪(け)の不穏あり」 (新仮名) 「暴力と汚辱はびこる地球から純な思想が日々遁走する」 ----- 「贈られし花束飾り悦に入る書斎の妻よ永久(とは)に若かれ」 「空中の電波を拾ひ自動にて時刻を合はす電子時計くん」

今日の二首

  • 2004.03.06

「朦朧と湯に浸かりつつ感じをり わがユートピアは意外に近い」 「朧月といふには薄き雲透きてをを満月が下天に微笑む」 (一首目で「わがユートピアは意外に近い」は口語体ですが、ほとんど呟きということで、あえてそうしました。この場合は、どうみても「近し」より「近い」が合います。二首目の「をを」は「おお」「おう」「おー」と同義です。)

今日の二首

  • 2004.02.29

(新仮名)2月29日:- 「ああ2月君さえももう去り行くか人の心に<惨>を残して」 (旧假名)汚れし地球よ:- 「穏やかさ過多でも不安 雲散りてのぞく青空地球を映す」

今日二首

  • 2004.02.21

不況倒産: 「防音のカバーに囲まれその中に崩されてゆく大型ビルあり」 ------ 「街に見る冬の太陽はいびつなるビル外形を焦がしつつ墜つ」

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