生活詠

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今日の歌

  • 2003.12.10

「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]

今日の3首 

  • 2003.12.09

「雲裂きてのぞく青空背景に残んの黄葉まばゆく微動す」 「ギンナンの産地は銀杏(いちゃう)の畑覆ひ黄葉やさしく柔(やは)く降り積む」 「銀杏樹の幹を取り巻き幾重にも積もる黄葉ひと色ならず」

今日の一首

  • 2003.11.29

流行はかくも早変わり・・・ 「女子高生<脱はにわ>といふトップ記事 われは<はにわルック>も知らぬ」 はんわルック・・・制服のスカートの下にジャージのズボンをはきます。丈は膝までだったりくるぶしまでだったりするようですが防寒としては良いのでしょうがファッションとは言いがたく思います。  泰女さんより

今日の歌

  • 2003.11.26

口語新仮名短歌:- 「あーきれいと妻が指差す紅葉(もみぢ)山サングラスにてさらに色増す」 ------------ 「早出(はやで)してサイドミラーに旭日(きょくじつ)が反射するさえなぜかうれしく」 「ドライバーを信頼し切った感じだな おばあさんよぼよぼ道路横切る」 ------------ 「路地裏をゆっくり行くに脇道より突如飛び出す無灯自転車」

今日の歌

  • 2003.11.19

「劇物の希釈もすらむ小流れに青鷺が佇(た)つ冬の顔して」 (新仮名短歌) 「この部屋に住んだ三十年の垢なのだろう持ち去っても破棄しても減らない書類」

今日の歌

  • 2003.11.16

妻と付近散策:- 「白鳥と化しし日本武尊の名が貧しき神社の看板に書かる」 「白雲ゆ光芒流す太陽へ翼焦がして消え逝く大鵬(おほどり)」 「妻と吾の影が斜陽にはかなくも路面に長く伸びたるを撮る」 「いづくにも道は這ひゐて限りもなし歩けど歩けど果見えず寂し」 「肉よりも骨は強きか漠々と肋(あばら)曝せる晩秋の田圃(たんぼ)」

今日の歌

  • 2003.11.11

「静寂の公園妻と散策す苦苦苦苦と鳴く山鳩いづこ」 (高松・栗林公園) ------------------ 「見の限り稲穂ことごとく刈り取られ腹の底より虚しさ突き上ぐ」 「朝より雨雲重くのしかかり山頂の城が見え隠れせる」 「迂回路の畦道行きて白鷺の茶色翼の若鳥おどす」

今日の五首

  • 2003.11.03

機会あって子供3人(+嫁一人)が集う。 「あらためてわれに三人(みたり)の子のあること噛みしめてをり集ふを見つつ」 11月3日は晴れの特異日のはずが・・・。 「秋雨に濡るる文化の日となりて四千余人の叙勲ありけり」 雨水が舗道にさ迷う・・・ 「やや冷えて落ちくる雨や秋深き舗装路走る水の皺見ゆ」 春雨のような秋の雨に・・・ 「しくしくと降る秋雨を吸ひ取れる土壌の慈愛が人をも恕(ゆる)す」 神とは、その […]

今日の一首

  • 2003.11.01

「コーヒのカップ内面の灰汁落とし純白にもどす おのれはいかに」 「コーヒのカップ内面の灰汁落とし純白にもどす おのれはいかに」(梧桐)における「おのれ」は「わが身」の意味で、自省を込めたものですが。たまには自分の内面にこびりついているであろう人生の灰汁(垢)を落としたい、との願望です。教訓的な意味など他意は一切ありませんので。

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