生活詠

307/335ページ

東北旅行詠-6 

  • 2003.10.23

<東北旅行-十和田湖、奥入瀬渓谷> 「田沢湖を見しのちなれば十和田湖はただ広くして水の色わろし」 「向ひ合ふ二人<乙女の像>に寄る妻またよろし三人(みたり)の平和」 「沿ひて歩む奥入瀬渓谷うるほひの緑照り映え瀬の音さやか」 「奥入瀬の渓流はさて十和田湖に流れ入るにや流れ出づるや」 「中秋の奥入瀬の水さやさやとまたうねうねと明るく流る」 「妻と来て渓流に沿ひたちまちにニキロあまりを歩いてしまひぬ」 […]

今日の二首

  • 2003.10.23

「山脈に纏はり太き虹かかる 重き美質といふもあるなり」 「低く太き重さうな虹架かる見てふと下腹部に愚鈍を感ず」

今日の歌

  • 2003.10.18

この渋滞は何事ぞと思えば,町内秋祭・・・ 「いびつなる白き月浮く朝の空見てをりお神輿通る街にて」 向上心旺盛な?妻は今・・・ 「うん十年振りにテストといふものを妻が受けゐる時刻か今は」 職場はがらーんとしていて・・・ 「休日のトイレに回る換気扇ただ漠々と空気吸ひ出す」 わが職場の裏手は川。一塊の雲さえない秋晴れの日は・・・ 「部屋を出(い)で穂芒なびく堤にて穹(そら)に満ちたる<蒼>を吸ひ込む」 […]

今日の三首

  • 2003.10.15

世に<物質文明>を批判する論が横行しているけれど・・・また、過ぎたるは及ばざるがごとし、との古諺あれど・・・ 「かくほどに物あふれたる街行けば批判を超えて幸せ感ず」 「余ること足らざるよりはやはりよし物質文明をひそかに称ふ」 「造るより破壊は容易さればこそ物造るわざの尊さ思ふ」

月に架かる虹

  • 2003.10.10

2003-10-10:今日の十五夜の月、薄い雲を通して輝いていましたが、ふと見ると何と月を取り巻いて虹が出来ていました。いわゆる暈とは違い、月を大きく囲む細めの虹で、円弧のまま完全な円には成長することなく、ほつれて消えていきました。通常の虹とは逆の配色であったことも不思議です。 「満月に細き虹いま架からむとすれども完結せずに消えゆく」 「満月に架かる虹あり細々と逆配色にほのかなりけり」 「玄妙とも […]

今日の歌

  • 2003.10.02

今でも依然として火星が痛いほどの強さで輝いています。- 「白雲の薄きを透かし暈(かさ)まとひ火星おぼろに光る恩寵」 「山嶺にしばしどしりと尻を置き七日の月は悠然とあり」 「お隣の奥様ふたり今夜また路上におしゃべり 吾が帰宅まで」 「この地球つと真ふたつに割れたらば六十五億の人間いづこへ」

今日の四首

  • 2003.09.29

「外見ぬまま今日も暮れたりこほろぎの身を絞る声聴かずとも立ち」 「こほろぎの号泣土中を灯すかな怨霊あらば散りて海に去れ」 「宇宙誕生偶然なのか奇蹟かと埒もなきこと脳かけ巡る」 「始まりはありしが終りはなしといふ蓋し<宇宙>は幽霊の祖(おや)」

今日の10首

  • 2003.09.28

「平らかに稲田拡がりほのぼのと昼の日反(かへ)すことのうれしき」 「稲穂田の区画それぞれ異なれる色にぞ実る逆光浴びて」 「田園に稲穂育てるかぐはしさそれを跨ぎて高速道路」 「風光一変 ここ東海と北陸を結べるハイウェイ竣りて幾年」 「ハイウェイは現代人のなす業(わざ)の底知れなさを見せてのたうつ」 「現代の龍とも見えてハイウェイ視界の限りうねりつつ伸ぶ」 「垂れ初めし稲穂の間(あひ)に水ひかりマネキ […]

今日の3首 

  • 2003.09.26

「雨つづき河や池さへ水増して水鳥木陰に雨を避けをり」 「増水の大河の岸を波打ちて北海道の津波思はしむ」 「晴るれば蒼、闇には暗黒、変幻の鏡面球体天文ドーム」

今日の歌

  • 2003.09.23

「まだらなる紫雲の隙(ひま)にご苦労にもポツリと火星が今夜も光る」 「六十路(むそぢ)前に老いを詠ひし師なりけり晩年に青春を生きむとも詠まる」 「百歳まで生きむと告(の)らしし短歌(うた)の師の臨終(いまは)の無念はわが思惟を超ゆ」 「昏々と眠れるままに逝きし父、また母哀れ 神ふと憎し」 「死にたくないまだまだ死ねぬと言ひしまま事切れし兄 あな無惨やな」 -----東北旅行-2: 「様々に友ら病む […]

1 307 335