子雀
- 2022.06.27
子雀ら巣立ち終へしが今もなほ巣の近くにてじやれ合ふをかし
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
子雀ら巣立ち終へしが今もなほ巣の近くにてじやれ合ふをかし
テレビ画面観つつ思へりこれを送るために幾百の人ら働く
どつぷりと水溜(みづたまり)につかる心地して梅雨の最中(もなか)の肌のねばりけ
真夜中に耳をすませば様々なる音聞こえくる驚くほどに
「起こる」ことを「起きる」と言ふ人あまりに多くいづれは辞書にも斯く書かるるか (朝(目覚めて)「起きる」は、「起こる」にて代替不可能。しかし、たとえば「月食が起こる」「事故が起こる」などを「月食が起きる」「事故が起きる」などと多くの人は言う。しかし、辞書にはそうした言い方は載っていない。)
地球外での有機物発見を「地球外生命」の証(あかし)と早とちりする多し 地球以外に炭素を多く持つ天体あれども「地球外生命」の証(あかし)にならず
電線にとまるヒヨドリを写さむに奇声をあげて波打ち飛び去る
光速不変則とリーマン幾何学なかりせばアインシュタイン理論は生まれざりけり
電子技術駆使して像と声創り美空ひばりを生き返らせしと 電脳像の美空ひばりが唄ふなる「あれから」に聴衆なべて涙す
肉製造機械としての牛を飼育 人間の身勝手さの極みなれども