生活詠

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大晦日の夢

  • 2003.12.31

大晦日の夢:- 「汽水域を群鮭のぼる影はやしやがて清流に銀卵をなさむ」 「大晦日鈍く暮れゆき夢なれど激流に雷魚共食ひなしをり」

今日の五首

  • 2003.12.30

「薄き雲さへぎるだにも暗くなる冬の太陽よ元気を出さう」 「意外なり蟹サボテンの華やかなる赤き花々冬に盛(さか)るは」 「様々に活動好む妻にして歳末の多事もすいすい熟(こな)す」 「WWWネット短歌に集はるる紳士淑女のありがたきかな」 「歳晩に吾が思ふこと多々ありて日本刀を袈裟懸けに振る」

今日の五首

  • 2003.12.28

「前を鎖(さ)す自動扉の開(あ)かざるはビルに拒絶の意思あるごとし」 「湯浴みしてお茶煎れ呉るる何げなき所作にも妻のリズムあるなり」 「今年また非業に死にし人幾たり望まず生まれし人は幾たり」 「良識が束になりても裁き得ぬ国あることは不幸ならずや」 「宇宙とは絶対3°の闇の闇 逝きし人らの魂(たま)も冷えゐん」 (絶対3°=-270℃; 宇宙背景輻射温度=全宇宙平均温度(通説))

今日の五首

  • 2003.12.23

(年賀用に) 「ひと一人一つの生を生きてきて明日の世界の危ふくとも穏し」 「峡谷の深きを流るる紺青の川に映れる天の水色」 「歳晩と年始を跨ぐ四次元の時空にゆがみ在りと思はず」 「餓えにけるアフリカの子の目に浮かぶ一滴の泪に及く愛ありや」 「顫へつつ我が身の芯を吹きとほる新年(にひどし)の風緑あふれよ」

今日の五首

  • 2003.12.18

「忙中にふと目つむればまな裏に浮かぶ地平の陽炎寒し」 「雨含むメタセコイアの落ち葉掃く女人の傍にて足滑らせぬ」 「池に棲む鴨らの数のいくたびも減りては増ゆるを不思議とはせず」 「ゆゑありて年末せはし若きらも仕事かかへて右往左往す」 「暇あらばつぶさに調べ柿本人麻呂論を小説にしたし」 ↑(願望です^^;)

今日の歌

  • 2003.12.16

「飛水峡、奇岩居並ぶ双壁の割れ目に深き藍色の川」 「妻と来ぬ 小春日和の日曜日ほかに人なきこの飛水峡」 「日々しとど枯葉おとせるメタセコイア先端はなほ緑(あを)きがままに」 「傍行けば鴨らぐわぐわ叫びつつ足取りよたよた吾に寄らむとす」 「煙草吸ひケイタイ掛くる様見えて隣車(となり)のドライバー実は女人なり」 「人工の星もかくやの輝きに暮れ初めし空に金星ひかる」 「西空に異様に光る金星を見詰むればそ […]

今日の歌

  • 2003.12.13

「中庭の園通りきて雑念にまとはりつきぬ山茶花の赤」 「幅広き虹の断片ゆらゆらと養老山系あたりより出づ」 「アクセス数50000に達しわが愛車50000キロ超ゆ 関係ないか」 「?(疑問符)がQとоとの象形とは知らず過ぎ来し それがどうした」 「『われわれはいづくより来し』は永遠の謎にして自明の些事とも覚ゆ」 「極大の宇宙を極微(ごくみ)の素粒子もて論ずる読めば子供に還る」 宇宙は閉ぢてゐるか:- […]

今日の二首

  • 2003.12.11

「日本列島晴れのち曇夜は雨忙(せは)しく変はるは天のみならず」 「幾人(いくたり)が自衛隊イラク派遣をば話題にせしや 日本は雨」

今日の歌

  • 2003.12.10

「初冠雪せしゆゑ乗鞍岳も見ゆ御嶽山(おんたけさん)と伊吹山(いぶき)の中ほど」 「赤々と斜陽が乱立ビル群の狭間つらぬき吾が心(しん)照らす」 「条(すぢ)の雲ほつれゆければ満月の渡る川の瀬聞くと思ひき」 ----------------- 「ビザなくて異国に入れば侵入なり加へて殺戮・破壊なしたり」 「復興か侵略軍の支援かもわからぬままに派遣決めけり」 「支援とて軍隊送ることの意味わからぬままに首相 […]

今日の3首 

  • 2003.12.09

「雲裂きてのぞく青空背景に残んの黄葉まばゆく微動す」 「ギンナンの産地は銀杏(いちゃう)の畑覆ひ黄葉やさしく柔(やは)く降り積む」 「銀杏樹の幹を取り巻き幾重にも積もる黄葉ひと色ならず」

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