- 2004.09.22
常のごとよしなきことを思ひつつ歩む頭上におぼろ半月 改札口出でくる人らのおほかたは虚ろなる眼に怯えを宿す 外圧によると言へども良きはよし明治維新は国たがやしぬ お仕着せと言へどもよろしきものは良し平和憲法は国を育てぬ チローが5打数5安打した日にはラジオもテレビもなぜかどよめく
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
常のごとよしなきことを思ひつつ歩む頭上におぼろ半月 改札口出でくる人らのおほかたは虚ろなる眼に怯えを宿す 外圧によると言へども良きはよし明治維新は国たがやしぬ お仕着せと言へどもよろしきものは良し平和憲法は国を育てぬ チローが5打数5安打した日にはラジオもテレビもなぜかどよめく
真昼から夜半(やはん)にかけて蝉の声ここだひびけり生命(いのち)きらめく 死といふは特殊にあらず天地(あめつち)に生の数だけ散らばれるもの 無常とは無情にあらず生と死の変転あやつる仏の情なり イラクでは今でもむざむざ死んでゆく民ありそれが目的のごと
今日、参議院選挙:- 政治とは最も疎遠な短歌といふ叙情に遊ぶ 開票進む中 イラクとか年金問題たたるとふ自民に厳しき開票すすむ なかなかに世の中変はること難し自民負けても政治は鈍く ーーーーー 屋上に建てたる物置無残にも突風に倒れ書物ずぶ濡れ 猛暑梅雨やうやく明けむとするならし列島縦断して北上迅し 空(くう)や空(くう)-無私とも執着なしとも言ふ小乗・大乗仏教もむなし 一歳の女孫のヌード撮り収め厦門 […]
自らのレトリックに酔ふ人らありただの一語につまづく人らあり 得体なき心の機微を限らるる言葉に表す危ふさ常に 一歳児しきりに何やらしゃべりをりとつぜん会話を始めむ予兆に
大型のSCにゐて前身の紡績工場を憶へとな言ひそ SC:(ショッピングセンター) 閑散たる町に突然現れしショッピングセンター平日も沸く 新しきショッピングセンターの上空を台風崩れの雲疾走す SCの3階に来て見下ろせば臓腑這ふごと人らうごめく 神とは?- 心とふ意識なき間は心なし神とふもまた在りてなきもの
「今月ももう終りかと月の末ごとにつぶやく性懲りもなく」 (口語新仮名) 「空海の前に不空の居たりとふ真言密教も連綿たるかな」 「蟻運ぶ砂の一粒ひとつぶよ 空しきことを他人(ひと)もわれもす」
「追ひ込まれ自殺せざるは勇気なきや 狂気は切腹を美学ともなしき」 「中東にかく易々と死は満ちて渾身の自死の論も色褪す」 「生を享け喜怒哀楽に日々は過ぐ無無明亦無無明尽」 (「無無明亦無無明尽」はご存知、般若心経の一節。「むむみょうやくむむみょうじん」) 「生と死は背理にあらず死の在りて生あることを知る稚葉道(わかばみち)」
「茫漠の闇の狭間に一瞬のみ<生>は切なくいぢらしく輝(て)る」 {解説:「遺伝子の二重螺旋の分子鎖のぴらぴらとしてかなし受肉は」とか、「遺伝子の二重螺旋の分子鎖が騒立ちし日に受肉せし身か」とかは、梧桐の旧作です。また、梧桐がかってここにも書きましたように、この自分という生き物は、受精するまでは何もなかったわけで(それまでは無限の闇)、死んで無に帰するのは(それ以降も無限の闇)、ごく自然の成り行きで […]
「真夜中に明滅している電球は歌を忘れたカナリアである」 「クリスマスツリーに無数の豆電球点滅してをりこの忙しさ」 「街中を人奔走す 死の先に生なきことを知るがゆゑなり」
「雲の上に青き空在り空の上に何があるのか知らぬが不安」 「死ぬために生きているのだ生の果に死が待つなどとゆめ思ふまじ」