今日の歌
- 2009.06.13
餌(ゑ)に寄りくる幾多の雀の中に一羽絶えずぴーぴーと鳴くありて愛(は)し 父母(ちちはは)亡く長兄も逝き次兄また身罷りて三日、奇跡を乞ひしに 絶滅は種(しゅ)の宿命なり人といふ種(しゅ)は例外と誰も思はぬ
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
餌(ゑ)に寄りくる幾多の雀の中に一羽絶えずぴーぴーと鳴くありて愛(は)し 父母(ちちはは)亡く長兄も逝き次兄また身罷りて三日、奇跡を乞ひしに 絶滅は種(しゅ)の宿命なり人といふ種(しゅ)は例外と誰も思はぬ
広がりゆく飛行機雲の真ん中を新たに細く伸びゆくもあり 現代は人生百年時代とぞされど生くるは<今>とふ瞬間 <今>といふこの瞬間の消ゆることすなはち<死>なりと知りて迷はず
生まれてより死までを支配し吾の全てを見透かしてをり<時>といふ<眼>は
最近の九首 情動は悟性に先行し判断を支配すと既に古人は言ひき 行動は動物能にて知性より遙かに速く反応するもの ————– うん十歳(うんじふ)に近付く妻が浴衣着て七夕祭に少女さぶるも 見の限り続く花笠は七夕祭協賛民謡パレ-ドなりけり 白髪の混じる女性(にょしゃう)も加はりて花笠パレ-ドは踊りつつ進む パレ-ドは道の果まで伸びてゐて一人一人 […]
1ミリの線虫の遺伝子6割がひとと同じといふことの意味は 裏のビルに冬の太陽を奪はれしが入居者ゼロなぞ望みしや 否 通説に猿からヒトが出来しといふ今60億人その中の一人 60億の中の一人の気軽さにひと皆地球を踏みつけて生く
人間の浅ましき本性極まれり被災地ニューオリンズに略奪相継ぐ 近過去のはや茫々と立ち返る姫路も道後も別府の街も 白鷺の連理の比翼はばたけり姫路の城は時空を超えて 闇深く女人のすすり泣く声すもはら人間(じんかん)の情理を怨み はらわたを揺り動かしてかの調べ陰々とひびき埒も無かりし 大型の台風ゆらゆら海を這ひ不測不明がゆゑの厳しさ 易々と人の命の霧消してイラク北米アフガンを悼む 人の世の行く末暗示するや […]
欲なくば戦はあらじ欲なくば生もまたなし 生即戦?
遺伝子が連綿として続く意味あるかないかは神のみが知る (新仮名) 何もかも<自然>の戯謔と思ひ知り世を楽しまん徹底的に 生きている間だけある世界なら隅の隅まで見尽したいよね (新仮名) 身の裡にわらわらと泣く魂魄の在るならばわれ永久(とは)に生きむに」
ファルージャで飽きもせずまた米軍が大量殺戮始めんとす 地球にはまだ砂漠あり沼地あり海底もある 戦争やめろ! (口語新仮名) ———————- 斯く深く認識してゐる人類がもし無くばこの宇宙とは何? 人無くば無数の星もその上(かみ)のビッグバンさへ空しく無意味 ただ膨張し続ける宇宙なんて。ただ在るだけの宇宙なんて・・・ […]
常のごとよしなきことを思ひつつ歩む頭上におぼろ半月 改札口出でくる人らのおほかたは虚ろなる眼に怯えを宿す 外圧によると言へども良きはよし明治維新は国たがやしぬ お仕着せと言へどもよろしきものは良し平和憲法は国を育てぬ チローが5打数5安打した日にはラジオもテレビもなぜかどよめく