「美醜とは皮相のことと“九相図”語る。否それゆゑにこそ肉は尊し」（梧桐）

「死してより白骨化しゆく過程の絵も死後すぐ灰となる今は仮想図」（梧桐）

「青空をそがひに桜花は真白に冴えヒヨドリ一羽しきりに蜜吸ふ」（梧桐）

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「あやにくの曇天なれどもその所為（せゐ）か桜花は淡きくれなゐにけむる」（梧桐）

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「紫木蓮せいいつぱいに咲きゐしが今や花弁は触るれば落ちて」（梧桐）

「雌雄生殖は神の粋な計らひなり単性生殖の味気なさ思へば」（梧桐）

「太陽の消滅は数十億年さき我らの消滅は一瞬の内ぞ」（梧桐）

「その顕現が今より数十億年先といふ弥勒菩薩は太陽の転生？」（梧桐）

「般若心経に意味ありて無し寂しければ大声で唱ふ二度また三度」（梧桐）


「並み立てる河岸（かし）の桜らほの赤し花びら覗く無数の蕾」（梧桐）

「白雲が大いなる鳩の形となり新築庁舎を覆ひてたゆたふ」（梧桐）


「政策への批判を一切うけつけず独裁政権への道を行く人」（梧桐）

（梧桐）：

「過去の大戦、直前まで誰も予期せざりき。瑣事を切っ掛けに始まりし知れ」

「首相言ふ不戦のための軍強化と。敵を作るのが平和とは笑止」

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「咲くことを誰も期待せぬ場所に八重の大きな水仙頭（づ）を垂る」

「殺戮・破壊の限りを尽くししアメリカに軍事でも隷属しゆくか日本」（梧桐）

「気付くべしアメリカ本土防衛の最前線として日本は使はれん」（梧桐）

「簡単な花の名が思い出せないのに「ロストロポ−ヴィチ」などが直ぐ出る不思議」（新仮名）（梧桐）

「「ルピナス」さえ出なかったのに「ソルジェニチン」が直ぐ出て記憶の不思議を思う」（新仮名）（梧桐）

「必然か心奥への瞑想は究極で素粒子物理学の極点に中（あた）る」（梧桐）

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辻井伸行：
「全盲のピアニスト弾く「ラ・カンパネラ」　指の走りは人のものならず」（梧桐）

「早朝はまだ寒けれど紫陽花の枝に元気な新芽ら吹き出づ」（梧桐）

「いまだ芽を出さぬもあれど紫陽花らいづれは雨中に鞠の花咲く」（梧桐）

「壮大に「万物斉同」を説きし荘子、つまり無限小の正体も観き」（梧桐）

「物質を無限小にまで分け入れば確率波といふ“無”に到るのみ」（梧桐）

「宇は空間、宙は時間にしてその中を被造物われら一切がうごめく」（梧桐）

「ミンコフスキーより遙か以前に「時空」をば「宇宙」とふ語にて東洋は捉へし」（梧桐）

「１０メートル先さへ見えぬ猛吹雪　三月に入り油断してゐき」（梧桐）

「わづかなる身体の不調も思考力減退をきたす　身心連携」（梧桐）

「わづかなる心の不穏が身体にも不調を惹起す　心身連携」（梧桐）

「日本刀の素振りをしつつ脳内を去来する過去を袈裟懸けに斬る」（梧桐）

「近辺に起こらぬことが不思議なほど殺人事件がかくも頻発」（梧桐）


「ほとんど何もやってないのにもうこの時間かと嘆くこと多い特にこの頃」（新仮名）（梧桐）

「落ち着かぬ春の天気を恨む間に菜の花は疾うに河津桜は今」（梧桐）

「針先（はりさき）に宇宙観る禅の瞑想と極小粒子に宇宙観る現代科学と」（梧桐）


「極限の微視化は具象像を拒否すれど身辺のなべては確たる形持つ」（梧桐）

（梧桐）：

「原子核と電子のあひだの漠々たる大空間をいかに説くべき」

「驚くべし毎秒千キロの超高速　原子核を回る電子のスピードは」

「歯痒さは科学者にもあり摩訶不思議なクォークの世界を語る文字なく」

「無限小クオークらの振舞ひが無限大宇宙の機序を支配す」

「あはれにもいかなる数式も寄せつけぬ無限小世界また大宇宙の論理」