緑の風
- 2010.05.06
みじめなる敗戦のトラウマ日本の心臓深くいまだに巣くふ 属国とも安保占領体制とも日本の現状を抉りて言ふあり 米国のイラク侵攻に日本は三十五兆円を提供せしとふ 米国のイラク侵攻に提供せし三十五兆円の行方知らずも ———————- 潤へる緑の風うけ自転車にスカートふくらませ女子高生ら過ぐ
みじめなる敗戦のトラウマ日本の心臓深くいまだに巣くふ 属国とも安保占領体制とも日本の現状を抉りて言ふあり 米国のイラク侵攻に日本は三十五兆円を提供せしとふ 米国のイラク侵攻に提供せし三十五兆円の行方知らずも ———————- 潤へる緑の風うけ自転車にスカートふくらませ女子高生ら過ぐ
思ふなく仰げば日光(ひかげ)に葉脈の走るも透けてさ緑の燦
思ふなく仰げば日光(ひかげ)に葉脈の走るも透けてさ緑の燦
透きとほる大空の青を眺めつつその先に闇あるを思はず 両岸の葉桜並木はさみどりの帯を水にも流しさやげる 魂とふ実体のなき塊がぶつかり合ふのが人の世ならむ 肉体と精神の二者が在るのではなくびんびんと鳴る鐘のごとしも
美しき叫びといふものあるものとマイケル・ジャクソン聴きつつ思 —————————————– 散り終はりに近き桜の並木には満開の余韻のただよひてゐて 椋鳥やつぐみに雀、ひよどりなど少なき花に交互にむらがる 椋鳥やつぐみに雀、ひよどりな […]
政界も自然事象も不穏にて何やら妖しき連関あるやも ベランダにて番(つがひ)の鳩が愛交はす四月半ばに寒波おそへど
子供の日ちかづき本町に飾らるる鯉らは年々汚れて衰ふ みづみづしき花花溢るる花屋さん本町の角にありて明るし 本町のはづれに今日もふくよかな芳香おこして茶を煎る店あり 金銭や色情にからみ命を奪(と)る人の業(ごふ)つまりどろどろの闇 大いなる火山の噴火が万を超す航空機便をキャンセルさせしと
散り敷けるはなびら芝生の緑(あを)に映え木漏れ日はじきて児童ら走る はなびらの覆ふ芝生に母子(ははこ)らの憩ふ公園に小鳥しき鳴く
そよ風に、無風のときさへためらはず花ちり急ぐ日向日陰に 散りかかるはなびらの中を歩みゆく後ろ姿は妻にぞありける 散りて舞ひ舞ひては渦まく花片(はなびら)のひとつひとつが描く疑問符 死の灰もかく降りたりけん無尽数(むじんず)のはなびら空を乱れて流る 散りやまずはなびらに乗りはなびらがかたまりて堰く昏き川面を
初花より一週間にて満開と聞くに二分咲き 花冷え長引く 初花より一週間にて満開と聞くに二分咲き 花冷え長引く ちらほらと咲く並木路を妻と行くに鳥のしわざか五弁花ちりぼふ 基地はもう要らぬとあっさり言えばよい。苦悩に顔がゆがむ首相らよ