ある旋律
- 2012.06.07
ある日ふと生まれし悲傷の旋律がその後もをりをり脳内かけめぐる ふと生(あ)れし不思議の旋律が脳奥に幾度も響(とよ)めばテープに記録す
ある日ふと生まれし悲傷の旋律がその後もをりをり脳内かけめぐる ふと生(あ)れし不思議の旋律が脳奥に幾度も響(とよ)めばテープに記録す
消費税増税に命を賭けると言ふ首相の居ることに驚きもある 今まさに部分月食の進みゐん雲の向かふの何がな親し
虐殺の深刻なニュースが消し飛びぬ直ぐに軽佻な話題が続きて
あるかなき薄き雲透き半月のわが思惟のごとばうと浮かべる 高揚のあとに襲へる虚無感の夜々に深まるを厭へど如何せん
幾種もの芝桜一面に咲く観つつ茶臼山高原の冷気たのしむ スキー用リフトに大勢が行き交へり芝桜咲く斜面すれすれに
有界論が有力なれど外側より眺むる宇宙を想ひて眠らず 大統領も賛意の同性婚なるもの理解できぬは時代遅れ?
貰ひきて妻が植ゑにしオーニソガム・サンダルシーの花を愛でける 地に向けて何に恥ぢらふかは知らず繊月が雲に隠れては出づ
金星が太陽(ひ)の前面をよぎる影うつせる画像あり それがどうした 人びとの悲しみを一点に集約し金星がいま太陽(ひ)の前よぎる
ほつそりと三日月が浮くつい先日太陽隠しし陰を身に乗せ
風呂上がりが暑くて窓を開け放つ季節になりしとやや慨嘆す