生活詠

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今日の五首

  • 2004.06.21

その昔どこにも居た螢、最近は名所と謳う所でさえ随分数が減りました。絶滅種にリストアップされているのかも。 「鵜沼地区大安寺川に妻と来て人より少なき螢たのしむ」 「デジカメに追へる螢のたよりなき軌跡の果てて底無しの闇」 「両の掌(て)に捕らへし螢を子供らに怖々(こはごは)見する人間の母」 「蛍雪の死語となりてより幾年ぞ不夜城の街、滅びゆく螢」 「消えてゆく螢にあればせめてもと友が動画に螢舞はしむ」

今日の五首

  • 2004.06.17

「昼間見る半弦の月のはかなくてきらめく雲にいま呑まれゆく」 「軒先に頭をもたげ紫陽花のたわわに咲くは貴(あて)なる闇なり」 「梅雨明けと紛ふばかりの青空にヒバリあがりて生命(いのち)を謳(うた)ふ」 中里介山著<大菩薩峠>より:- 「盲(めし)ひてもなほ人を斬る竜之介-生くるとはかくすさまじきもの」 「モアレ縞さまざまなるを解かむとしその変幻はそぞろに妖し」

今日の二首

  • 2004.06.13

「梅雨なれど晴れて白雲流れつつ青き鏡の空のぞきたる」 「梅雨最中(もなか)に塵ひとつなく透きとほる空より凛(さむ)き風のくだり来」

今日の五首

  • 2004.06.10

「明けながら雀ら激しく鳴き交はしやがて鴉や鳩らが騒ぐ」 「空翔くる鳥を羨(とも)しと思(も)はざりし幼き愛の行方知らずも」 「青空に巨大な穴を穿ちつつ吾が胸処(むなど)より虚の竜のぼる」 「いづくより来たりいづくへ去る身かと詮無きことを古今悩める」 「しかと観む アニメの世界の殺人を易々犯しし少女在る世を」

今日の三首

  • 2004.06.06

「雨樋をしたたる音に梅雨入りは寂しきものと思ひ知るなり」 「友どちら祝ひ呉るるは停年に一つけじめを思ひ知れとや」 「職退(の)きてはや二月(ふたつき)か胸底にポトリと一滴墨汁の衣魚(しみ)」

今日の歌

  • 2004.06.04

「光満ち青澄む空より凄惨の泪一滴落ちてくる夢」 「欠け初めし満月ゆらりと昇りきて兎の影がすすり泣く見ゆ」 「物あふれ愛も溢るる地上なら昇る少女の翼は折れむ」

今日の歌

  • 2004.06.02

<あの「衝撃」の翌日> 「梅雨前の光をとほす緑葉に幾重も枝葉の影が交はる」 「赤青の涎掛(よだれかけ)して地蔵さま幾多ならべリ寺社の裏手に」 「葺き替へられ甍の光る本堂と破れ傾く納屋、奥の院など」 「寺庭に仰ぐすぢ引く白雲と楠(くす)の青葉に嘆き消ゆべし」

今日の十首

  • 2004.05.29

(口語新仮名): 「イラクとかパレスチナとかでの余りにも軽い命は食傷気味だ」 (口語新仮名): 「一命は地球より重いはずなのに筈なのに重いはずなのになぁあ・・・」 「直腸の狭窄症とて腹切られ内蔵切られて病み臥す兄よ」 「わがHPに歌寄せくるる男(をのこ)たちことごとく皆 Degital Friends(ディジタルフレンヅ)」 「わがHPに歌寄せくるる女性(にょしゃう)たちことごとく皆 Degita […]

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