名曲のあと
- 2022.09.24
名曲はもちろんいいが終ったあと襲う寂しさが何とも言えない
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
名曲はもちろんいいが終ったあと襲う寂しさが何とも言えない
鬼の容貌の人が天上の美音にてピアノ奏づるにわれ陶酔す
とうとうと流るる美音に五体しびれ読書はかどらざるを恨まず
脳髄を絞りしぼれど出でこざる忘れ難かるかの旋律よ
若きころ折にふれ聴きしスメタナの「モルダウ」流れ意識は過去へ
やや心乾くにラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」流れきて潤(うる)む
微かにも聞こえくるかなグリークのペール・ギュント組曲に脳漿波立つ
“ベト七”とはベートーヴェン第七交響曲、その重量感にはそぐはぬ略称
脳底に顕ちくる叢林に吹き入りて枝葉そよがす それが音楽
カラヤンとフルトベングラーの異質さは‘第五’の冒頭の演奏に顕著 指揮者に依る違ひがあらわベートーベン‘第五’の冒頭の演奏において