百歳のピアニスト
- 2021.04.08
驚きぬ百歳の媼が情感こめピアノ曲「エリーゼのために」を弾きて
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
驚きぬ百歳の媼が情感こめピアノ曲「エリーゼのために」を弾きて
人間の脳に与ふる音楽の効果は麻薬とも麻酔薬とも思ふ
瞑想中BGMを流せるに海、山、草原など脳裏に去来す
唐突に口衝き出づる <夏は来ぬ> 冷えまさりくる初冬の朝に
‘第九’初演をベートーベンは指揮するも聴衆の歓呼は聞こえざりけり
不思議なりベートーヴェンは耳じひ後いくたの名曲を作曲せしこと ヘンデルは目しひになりしそののちは作曲をほとんど断念しけり
一心に聴く <カントリーロード> の終りしあと生(あ)るる寂寥にしばし浸れり
<軍艦マーチ> 戦後もながくパチンコ店、運動会などで流れゐしかな 窓枠の隙(ひま)より花水木(みづき)の先端見え花たち真日(まび)に白くかがやく
2世紀も前 或る男の脳髄に生まれし旋律が吾が脳かけ巡る
AIの美空ひばりが新曲をAIの声にて唄ふ かなしからずや