紫陽花
- 2011.07.19
反映に白壁青く濡らしゐし紫陽花も萎ゆいつ首剪らん
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
反映に白壁青く濡らしゐし紫陽花も萎ゆいつ首剪らん
ベクレルとかシーベルトとかつい最近まで知られざりし語 世を席捲す 先見えぬ原子炉事故の成行きの不気味な靄が日本をさいなむ 玄関に妻の飾りし白紫(はくし)なる花菖蒲じつは休耕田育ち
「多(さは)に咲く紫陽花あざやかな青に顕ちあまたの雨滴をのせてきらめく 近寄れば吾が顔映る 紫陽花の花びらに乗るなべての雨滴に
妻植ゑて枯れさせもせず花咲くはオーニソガラム・サンデルシーとぞ 雨季に入り生気満ちこしあぢさゐの幼き花に紅色つき初む
途切れずに花の咲き継ぐうれしさよサツキ、菖蒲、ジキタリス、薔薇 政治史を歴史となすが日常の生活こそ主体 今も変はらず 政治形態いかに変はれど人々の生活の実相は今に変はらず
匂ひたち藤の房花いくすぢも長きが垂れて川面(かはも)に触れさう (小牧市清流亭) にょきにょきと似非円空仏の立つ街を初夏の陽浴びつつ妻と歩めり (羽島市竹鼻町) 藤棚の下に花の香こもるなか憂きこと忘れ人らくつろぐ (羽島市竹鼻町別院の藤)
道沿ひに紅白数多(あまた)のチューリップがゆらりゆらりと不安げに揺れ
ソメイヨシノ 世界に幾本あるのだろうすべて一本のクローンと言うが (新仮名)
道の辛夷並木にひらく花数ふるほどにて徐々に春なり
隙間なく花に覆はるる山茶花は影までほんのりと赤味を帯びて