明日は快晴
- 2013.04.24
プランターに妻埋めしアスパラの根はいまだ芽出さず土中に苦悶しをるや 天気予報のとほり夜半に雨の止み明日は快晴まちがひなからん 奇々怪々: 飢餓人口8.5億人、年間の廃棄食料は500万トン余とぞ
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
プランターに妻埋めしアスパラの根はいまだ芽出さず土中に苦悶しをるや 天気予報のとほり夜半に雨の止み明日は快晴まちがひなからん 奇々怪々: 飢餓人口8.5億人、年間の廃棄食料は500万トン余とぞ
窓より入るほのかな斜光に手の皺の異様に際立ちふと怯えもつ 刷毛をもて水塗るやうに春雨が甍を濡らし夕闇に光(て)る
薄雲をとほして撮るに太陽は白の眩暈にして鳥の影呑む 水音に沿ひ散策道を行き行けば八重桜尽きし果に山城」 荒立ちて大河に合流する支流、水量豊かに堰越ゆる見ゆ
窓際を行くがに列車の音のして1キロ西方のレールの軋み 遠方の列車の通過音がすぐ先に聞こえ雨呼ぶ風あるらしも
咲きさかる江戸ひがんまた山桜の老木並木を敬しつつくぐる 小説を英訳本にて読みゆくに浮かぶはどうしても米人の顔
春分の日は過ぎたからもう春ね。フランスのテレビが言ふを聞きとむ デジャヴュならずジャメヴュがうれしい満開の桜並木をくぐる毎春 (新仮名)
子供向けとの先入観ありしが妻と来てリトル・ワールドにひと日楽しむ 九度目の全勝優勝に白鵬は顔かがやかす少年のやうに はや桜が諸処で満開の今日を来しいなべ梅園花盛りなり
日本では計算機と人が将棋を指しアフガンでは無人機で大勢(おほぜい)殺さる 咲き急ぐ桜並木を想へれば真夜の静寂に幻聴音たつ
ひんやりの布団に入るに徐々徐々に温(ぬく)くなりくる己が体温で 頼らざることすがすがし自らの発する熱に包まれて眠る
憂国の思ひ無駄などと言ふなかれ磨り硝子の隅が街灯に明る またしても<風の又三郎>級の突風が夜の街打ちつつ暴れゐるなり