ヒヨドリ
- 2023.02.05
ヒヨドリが奇声発して上下に飛び他の一羽とともに光に紛る
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
ヒヨドリが奇声発して上下に飛び他の一羽とともに光に紛る
俊足の‘時’にしばしば追ひつかずカレンダー捲るさへ遅れがちなり
折角の快晴なれどパトカーががんがん濁して走りゆくなり
電子器機が妙なる音楽を聴かせ呉る。薦めし妻に感謝をせねば
裏庭にてチチチと吾を呼ぶ雀子ら口笛にて応へ遊ぶもたのし
音曲が脳随の襞(ひだ)を震るはせて思考停止に追ひ込む しばし
陶酔す宮城道雄の <春の海> に。とつぜん救急車のサイレンひびく
啄木の詠みしごとくに風なくて晴るる元日に早朝参詣
今年もどうぞよろしくお願い致します。 うち見れば大火のごとき日の出なり世紀の病魔を焼き尽くさむか
声掛くれば易々とフィッシャー・ディスカウを聴かせ呉るる器機に負ひ目を感ず