宇宙・月・星・太陽・空・雲

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今日の4首

  • 2004.09.30

名月は焦(じら)すがごとく雲間より須臾(しゅゆ)の間ぼんやり顔見せしのみ 台風の去りてやや冷ゆあをあをと地を濡らしつつ空は霽れたり 名月も十六夜(いざよひ)も見ず立待の月を待ちかねしばしば庭に出づ 名月の二日遅れを恨むまじ風にも飛ばず在りしを幸とし

今日の歌

  • 2004.05.25

「大都上空に麗人閉づる眼のやうな繊月、そして金星が並ぶ」 「靄けむる富士川の橋渡りつつ脳裏に富士山けざやかに浮く」 「しっとりと卯の花くたしに濡れて澄む東海道の水田地帯」 「集ひては議論を交はし楽しめる学会といふは不思議な異界」 「拉致されて生(な)しし子供ら帰国すと歓喜はすれど何か違和あり」 「木曽川の河川敷埋め黄をながすオオキンケイギクに妻も染まりぬ」 「光とは真空とは何 問ふほどに吾が脳めろ […]

今日の歌など

  • 2004.01.15

「朝戸出にあふぐ真青な中天に完全無欠の半月貼付く」 「上方から日本刀にてたち割りし月の左半が朝空に残る」 「白き円カミソリをもて真二つに切りし一半 今朝の月かな」 口語新仮名: 「青なのに行かない前車へクラクション。ぎくりと発車しバックミラー見てる」 {独り言:交叉点で、信号が青に変わっているのに、考え事か何かをやっていて気付かず、なかなか出ない前の車にジレてクラクションを鳴らすと、ハッとしたよう […]

今日の五首

  • 2003.12.28

「前を鎖(さ)す自動扉の開(あ)かざるはビルに拒絶の意思あるごとし」 「湯浴みしてお茶煎れ呉るる何げなき所作にも妻のリズムあるなり」 「今年また非業に死にし人幾たり望まず生まれし人は幾たり」 「良識が束になりても裁き得ぬ国あることは不幸ならずや」 「宇宙とは絶対3°の闇の闇 逝きし人らの魂(たま)も冷えゐん」 (絶対3°=-270℃; 宇宙背景輻射温度=全宇宙平均温度(通説))

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