2007年2月1日
- 2007.02.01
昨日の夕やや欠けゐしがこの宵は満月となり爛漫と照る ある時は当たり屋とかに間違はれ痛みこらへて言訳をしき 車避け細き路地裏えらびつつウオーキングするわれは不審者 全天が氷のやうに蒼き空に雲の小さき残欠ひとつ 予報は夜雪が降るとふこの碧き空がいかやうに変るといふのか
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
昨日の夕やや欠けゐしがこの宵は満月となり爛漫と照る ある時は当たり屋とかに間違はれ痛みこらへて言訳をしき 車避け細き路地裏えらびつつウオーキングするわれは不審者 全天が氷のやうに蒼き空に雲の小さき残欠ひとつ 予報は夜雪が降るとふこの碧き空がいかやうに変るといふのか
夜空籠め光満つるか雲白し電気ナマズが棲むと思へり
平家消え源氏蛍が青白き曲線ゑがきて池の端に舞ふ 二万もの幼虫放ちしと老いは言ふそのうち光の乱舞あるべし 鋭利なる三日月の裏に地球照ほのかに浮く見えゆかしさ深まる (「地球照(ちきゅうしょう)」:太陽光の地球からの反射を受けて、月の影の部分がうっすらと明るむ現象)
出でしなの大満月がパチンコの派手なネオンと重なって無様 (新仮名)
ちいさな小(ち)さな無数の穴が夜空にあき人を隣の宇宙へいざなう (新仮名)
雨ひとときしぶきをりしが散策に家出づるころ火星かがやく かの月が今夜は火星に添はずして暗き楕円の欠落感浮く 街中をつらぬく川に水なくて桜落ち葉が底に溜まれる
旅急ぐ白雲うすく弦の月おほひては虹を架くるたまゆら 金閣寺の庭をながめてブッシュ氏がポツリと言へり「ここは平和だ」 ‘孤独’の語もすり切れちまった人も見ん楕円の月に寄り添ふ火星
ファルージャで飽きもせずまた米軍が大量殺戮始めんとす 地球にはまだ砂漠あり沼地あり海底もある 戦争やめろ! (口語新仮名) ———————- 斯く深く認識してゐる人類がもし無くばこの宇宙とは何? 人無くば無数の星もその上(かみ)のビッグバンさへ空しく無意味 ただ膨張し続ける宇宙なんて。ただ在るだけの宇宙なんて・・・ […]
秋雨のひややかにして静かなり猛烈台風海より近づく 大地震(おほなゐ)も雷雨も火事も台風も怖し自然はなべておそろし 中心の気圧が920にて最大級とぞテレビはおどす 台風の予想進路一帯に暴風洪水警報が出て 台風の逸るるを望めど襲はるる地方を思へば穏やかならず
路地裏の闇に群れ咲く赤と黄のハイビスカスに脅かされつ 女といふ性のあはれさ強さなど思ふ目前(まさき)に朱のハイビスカス 男といふ性の靭(つよ)さや脆さなど考へ歩むに月影蒼し