脳内にうづまく思考のさびしさを星座の影と思ひてゐたり
こきりこ節」聴きつつ思ふ日本民謡はだうしてかくも悲哀に満ちてゐるのか
世のすべては在るべくして在ると知りてこそ世の平安はあるべかりけれ
窓開けたら二、三羽のスズメがいっせいに不器用な飛び方で逃げていった
入鹿池(いるかいけ)は湖にまごう大池にてその畔(ほとり)でピクニックをせしこともありき
待望の横綱昇進へまっしぐら‘大の里’全勝で中日(なかび)に向かふ
遺体らしき物体を見つけ引き上げしとふ自衛隊機の墜落現場で
若き頃よく訪れし大池に自衛隊機が墜落せしとふ
絶ゆるなく戦火の報を聞くたびに性善説が揺らぐ思ひす
それ以降の人生の方がはるかに永いのに近頃幼少期の記憶がよくよみがへる