鈴鹿山系が西方はるかに漂へるを日々眺めつつ心を鎮む
裏庭に雀ら睦み合ふを見つつ命には大小はなしとあらためて思ふ
地にありて身は小さけれど空想は宇宙の果の果までとどく
深夜といふに家前の国道で工事せり公益の騒音は我慢せよとか?
もし君が千年の寿命を得たならば君は何をなさんとするや
玄関前の花水木にときどき小鳥ら来て枝葉にまぎれて会話してをり
映像的効果狙ひと思へどもドラマの月はいつも満月
はげしく鳴くヒヨドリの声を録音しボリュームあげて合唱させをり
裏の木にヒヨドリが来てガサゴソと枝移りをりときどき吾を見て
尻振りてカラスが前をあゆみ行くちらりと吾を見て横へ逸れたり