固有名詞と添え書き
「ガリンコ号の行く手に群なすオジロワシ鋭き眼で一点を見つむ」 (白嶺さん2003/03/08)
ガリンコ号は流氷観光船で、氷をガリガリと砕いて進むからこの名があるのですね。確かに<ガリンコ号>では意味不明と感じる読者もいましょう。しかし名は体を表すの諺どおりのこの名称も捨て難いです。そうした場合は、こうした特殊な語は、歌のあとに簡潔な説明を付けるといいと思います。こうした(名がそれほど流布していない)固有名詞や、専門用語には略注を付けることは、これまでもしばしば行なわれます。
歌はこのままで十分です。嘱目がいいですから、状況を素直に詠まれればそのまま短歌完成ですね。
(あの歌の場合は「ガリンコ号」という固有名詞を生かしたいですから、しかし一般には流布していない名であり直ぐには理解されませんから、簡略な説明なり解説をつけることでこの語が使えますし、また生かすことが出来ます。専門的な内容の歌などでよく見受けられる手法です。(万葉集など、古歌集では、歌の由来が解かるように、歌の前に詠まれた経緯などを解説し、また特殊語には歌のあとにも説明を加えています。)もちろん、短歌は原則としては、一首ごとに、それだけで(つまり解説や添え書きなしで)読者を納得させねばなりませんが。2003/03/10)