日常他

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2005年5月10日

  • 2005.05.10

花どきの人らの狂乱しみじみとふところに秘む葉桜並木は 両岸の桜並木は緑々(あをあを)と風になびきて水を染めたり 公園にひしめき咲けるツツジらに桜若葉の緑(あを)反映す

2005年3月26日

  • 2005.03.26

3月の雪は殊さら富士山に降り積もりたり下まで白し ひた走る車窓より闇を凝視(みつ)むるに茫と浮かび来新雪の富士山(ふじ) 闇の富士山(ふじ)観ればたちまち胸内(むなうち)の腐肉のやうな我執消えゆく —————— 愛と憎、喜と悲、などなど対極なる情の近さを再(ま)た思ひ知る 浮薄にも見ゆるネットの奥底に疲れのたうつ人ら交錯す

2005年3月18日

  • 2005.03.18

ショベルカーぐいぐい深く土を掘る地の心臓を抉るがごとく 深々と掘られし穴より岩出(い)でぬ嬰児もまた斯くは世に生(あ)る 巨(おほ)いなるショベルを易々操りれる男の顔は静けさ保つ ジェット機が長々としも伸ばされし巨大クレーンの先を航(ゆ)くなり 上々(かみがみ)と思へる人らは談合し下々の人ら汗たらすなり ——— タクラマカン砂漠に千年眠り来しミイラの眼窩の底知れ […]

今日の三首 H17-02-05

  • 2005.02.26

故知らず無性に心のひもじくて虚空に向かひハーモニカを吹く フィアンセに顔を割られし女人あはれ企業体間政略結婚 世の中は表と裏の在るを知れ時には裏こそ本物の世ぞ

2005年1月31日

  • 2005.01.31

枯れ木さへ塒となして雀らは冬夕街に絶叫しをり (テレビに観る): 青年は命得んため人工の呼吸器つけらる声を犠牲に 人工の呼吸器手術に両眼より涙流せり 青年あはれ

2005年1月13日

  • 2005.01.13

蒙昧は地球自身に及びたり台風、地震、津波などなど 裏の高層ビル建設基礎工事進む:ー 裏に出てにょきにょきと立つ建設の重機らの影に脅かさるる 堂々と巨体を晒す重機群 憎けれど秀美青空を背に 青い青い空が天にはあるものと信じた幼さ今は尊い (口語新仮名) さまざまに吾を攻むるものの圧力に風邪なぞ引きてはをられぬものを

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