生活詠

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大空襲

  • 2011.04.23

数知れぬ雨の雫が灯に光る震災の地の涙いかばかりか 見の限り瓦礫ひろがる被災地に大戦末期の空襲かさなる 未曾有なる震災とは言へひと月経て不明者の数が万を越すとは

見の限り

  • 2011.04.15

見のかぎり幾重にも花咲き満ちて熱しつつなほ犇めき合へり 澄み透る池に映れる岩影は水面(みなも)の波に微動だにせず 連鎖せりM9.0の地震(なゐ)により津波ならびに原発事故の 荒涼たる津波被害の爪痕も漏壷に時を刻む止むなく 襲はれし幾つ遺体を探り当て放置す放射能汚染つよくて

桜と原子炉事故

  • 2011.04.13

もともとは百ほどはある桜の種(しゅ)、今はソメイヨシノが跋扈す 終息に百年かかる原子炉事故せめて危機狼狽の早き収束を 危ふきかな直に原子炉の状態見ず推測のみに作業なしゐて

惨劇

  • 2011.04.01

たまさかに生(あ)れしのみなる人類に惨劇は何故(なぜ)くり返さるる 美女は美女、男(を)の子は男(を)の子であらまほし如何(いか)なる災難襲ひ来るとも

鳥獣

  • 2011.03.30

感情をもつと思へぬ雀にも恐怖心ありて敏速に逃ぐ おしなべて鳥獣と言へど恐怖心あるは生命(いのち)を愛ほしむゆゑ

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