紋白蝶
- 2009.09.03
迷ひしやトンネルの中に紋白蝶ひらひらふらふら妖艶に舞ふ 横断をせんと轢かれし蛇(くちなは)の頭は潰れ蝿ら群がる 翼もつ君でも車に轢かるるか路上に鳩の骸(むくろ)散らばる 自民支配の五十年体制が総崩れ 政権交代-日本に幸あれ
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
迷ひしやトンネルの中に紋白蝶ひらひらふらふら妖艶に舞ふ 横断をせんと轢かれし蛇(くちなは)の頭は潰れ蝿ら群がる 翼もつ君でも車に轢かるるか路上に鳩の骸(むくろ)散らばる 自民支配の五十年体制が総崩れ 政権交代-日本に幸あれ
ビルの間をさ奔る風の涼しさに身をゆだねつつ過去未来なし 聳え建つビルの狭間を奔る風ガラス色してこの身つらぬく 過去のいついづこに何を忘れ来て今の自分の在るを悔やむや 自分とは自然の部分の謂ひと説く法師に遇はばいかに涼しき
べにクラゲは老いては赤子に変身し永久(とは)に死なずと説かれてみても・・ 単細胞生物はただ分裂を繰り返すのみ死とは無縁に
慣れなるや新聞に見る自殺者の記事は小さく数はふえゆく さう言へばイラク、アフガンの死者の記事いつしか小さく小さく成り果つ <慣れ>は人の生きゆくための智恵なれど時には怖ろし罪ともなりて
音楽は時間的芸術と言ふけれどクラシックなどは常在不滅 絵画など空間的な芸術は時間を排除す 短歌はいかに 種(しゅ)の進化の終点が人より猿なりせば地球は平和としばしば思ふ 種(しゅ)の分化は突然変異に依るなれば<進化論>より<変化論>では? <進化論>と<自然淘汰>が正しくば地には人間のみが住むはず
日曜の公園に来てうれしくも子供らの声きんきんひびく 公園に幼をあやす母たちの影多くして空気かがやく すれ違ふ若きをみなのマタニティ膨らむを見てうれし頼もし さう言へばこのごろ妊婦のヌード写真はやると聞きぬ それもまたよし 昏迷の世なれどひとたび生まれなば百歳までも命つらぬけ 人産むも人を殺すも人なりと悟るむごさは君も吾も知る
気がつけば髪長く伸びもたいなく思へばこのまま放置と決めこむ 幼年にて死ぬ子と白寿の現役医師 寿命の個人差はかくも冷酷
時間軸と空間軸の接点に現世(うつしよ)はあり逸るる能はず 歩かずもすらりと立ちて百合の花 紅白黄(べにしろきい)にひびき合ひをり
脳死より蘇生せし例ある限り脳死は人の死にはあらずも 選挙にて選びし議員に人の死の定義まで任ししつもりはあらず 心臓をもらひてまでも生(せい)繋ぐほどすさまじき執着はなし
千年も生きて何する」って? 生きたなら世界は平和か破滅かが分かる