2007年4月18日
- 2007.04.18
地の神が腕高く上げその五指に緑つけゆくか春の欅は
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
地の神が腕高く上げその五指に緑つけゆくか春の欅は
老ひとり雑草(あらくさ)を抜くその後方(しりへ)巨(おほ)いなる牡丹の花五つ六つ 四月半ば民家の軒に垂れ下がり藤の房花はや香り立つ 百種(ももくさ)の花に誘はれ散策する狭き路地にも選挙カ-の音 そこここに杉菜(すぎな)繁茂し緑々(あをあを)とかつての土筆の全盛を明かす
散歩にて民家の軒より山茱萸(さんしゅゆ)の羞(やさ)しき黄の花のぞけば撮りぬ 軒端より大きくはみ出(い)で黄の花のふさアカシアがゆらゆら揺れをり 梅雨時に毬花しゃんと咲かすべくあぢさゐはいま枝枝芽吹く
国府宮はだか祭・拾遺: おほかたは舗装に覆はるる地表なれど境内はよろし地球の素肌 もうもうと砂煙あげ裸形(らぎゃう)なる男ら本殿めがけて突進 かくほどの砂塵かぶるは幾年振り 裸男ら神域に暴れ ————————– 寒戻り冷たき強風受けながら株価暴落の因など思ふ 売り買ひのバランス崩れてたちまち […]
イヌフグリ雑草(あらくさ)の隙(ひま)を縫ふやうに生(せい)得しゆゑの哀しみに咲く 街川は水断たれしまま春に入り草湧き出でて底土緑(あを)し
枯死せしに似る枝振りの紫陽花がはや新芽出す二月下旬に 干涸らびし枝より芽を出す紫陽花の枯れて果てざる極意知りたし
寒紅(かんこう)は五分咲き青軸(あをぢく)まだ咲かぬ二月初旬の噴水のほとり (新仮名): 叶うなら二十二世紀まで生き延びて人間居るか確かめたいな
母の日の蕾の百合が花開きしばし薫りてはや萎みゆく ぎっしりと咲くミニばらに屋根までも覆はるるこの花屋の親し 葉桜の間(あひ)歩み来ぬ病院の青白きネオンが川面に揺れて
闇深き裏道にある廃屋の庭に花々たんたんと咲く
神池の守(も)り役のゐて指させり平家ボタルのほのかなる火を 神池に平家蛍が二匹のみピアニッシモの明滅をなす カワニナは源氏の餌にてタニシは平家 餌を育つるに人参やると 昨夜(よべ)のごと蛍を観んと眼を凝らすにをりをり池に鯉跳ぬる音 ばらばらとバラの花びら散らばれどばら園になほ狂ひ咲く薔薇