植物

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2006年5月11日

  • 2006.05.11

花水木は萼にはあらず手触(たふ)るれば人肌のごとしっとりとして 飽きもせず未だに日々(にちにち)幾十人自爆テロにて死ぬイラクなり 自爆テロ記事に飽きたるメディアにて小さく報ず70人死亡と 外壁に沿ひくさぐさの薔薇咲かせこの小医院は心あらはす べっとりと墓地が血塗られ夜陰にあり垣一面の躑躅と知るまで

2006年4月18日

  • 2006.04.18

散り急ぐ桜は遠見に赤さ増す萼の色とは知れどうれしき 咲くに遅速ありしが散るもさもあるべし塊をなし頑張る花あり 八分かた散りし桜ら一樹のみ白冴え冴えと咲き残りたる

2006年4月10日

  • 2006.04.10

咲けば散るほかなき桜花(はな)を雨打ちて道一面にびっしりと撒く 雨桜観ての帰り路街灯を透かして傘に花びら幾片 傘に享けし多(さは)なる花弁を留守居せし妻にみやげと言へば微笑む

2006年4月8日

  • 2006.04.08

一キロもある両岸の桜並木咲きゆく順はランダムにして 今日ひと日強風あれど川沿ひの桜並木は満開を誇る 重たげに枝撓ませて満開の桜は幹のどっしりと構ふ 群がれる花びら貫く枝枝の存在感よ夜桜は殊に 下方より桜花照らされ純白の雲の上辺(うはべ)は闇に溶け入る

2006年4月4日

  • 2006.04.04

春祭の喧騒もよし川岸の桜花(はな)はあくまで静かに咲(ひら)く 祭とて騒ぐ人らの悲哀知れ桜は静かに咲くべかりける 桜の川つねには水なし流すのは花どきのみとは呆るる市政 冷ゆる日が続き夜毎に来て観るにじわりじわりと桜花(はな)ひらきゆく なけなしの馬駆り集め春祭を賑はす大人の健気なる知恵 馬見るは映像のみと慣れて来ていま目の前の春駒を撮る

2006年3月12日

  • 2006.03.12

路地奥にいくつもありて廃屋の破(や)れ戸より見ゆ床板の反り 震度4襲はば倒れむ老朽の民家点在す裏道行けば 白々と侘助ツバキがさはに咲く地面にころころ落ちゐるも在り これまでに”Gone with the wind”幾たび観しスカーレットとレッドになりて

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