清清しい
「小雨やみ伸びし雑草抜きおりぬ春草すがし匂ひの中で」(隆子さん2002/04/07)
文字通り清々しい歌です。「すがし匂ひ」は「すがしき匂ひ」でしょうね。その前に、「すがし」という形容詞、漢字では多分「清し」なのでしょうが、またおそらく「すがすがし」から来ていると思われますが、これは本来無い言葉です。つまり、「すがすがし」はあっても「すがし」は無いのですね。これも皆よく間違えます。例えば、例の有名な「シクラメンのかほり」という布施明の歌(作詩作曲・小椋桂)にも「・・シクラメンほどすがしいものはない・・」という歌詞が出てきます。「かほり」が「かをり」のミスということの他に、「すがしい」という形容詞は本来無い、という意味でミスですね。小椋桂氏は名作詩家ですが、結構ミスもしています。みんなが間違えるから、「かほり」も「すがし(い)」も、そのうち市民権を得るかもしれません。(^^;)
添削:
「雨あがり伸びし雑草抜いている春草ふつふつと匂へる中で」(隆子)
(「抜いている」は文語旧仮名遣いでは「抜きてゐる」ですが、語感をやわらげるために意識的に新仮名遣いとしてあります。)