語韻 余韻 について

「今日もまたこの一日を掬い取る言葉なきまま眠りに落ちる」 (酔狂さん2001年7月17日
作歌する者が時として味わう悩みを味わっておられて、よく理解できます。
最後を言いきるかどうかは、内容次第ですね。言いきって十分余韻が残る作品も勿論多々あります。余韻は印象に通じ、読者の心にいかに残るか、です
この作品、第一、ニ句が重複語で残念です。また、この歌の芯ともいうべき「言葉なきまま」に、懸命にさがしても見つからないというニュアンスがないのが惜しいです。最後の「落ちる」は意味としては過去、つまり落ちたということでしょうが、そうすると、初句の「今日も・・」と合いませんね。昨日もならいいけれども。(勿論、昨日では新鮮さがなくなってしまう。)第三句「掬い取る」はこの場面にピタリの語ですね。 
こうしたことを考えに入れながら改作してみましょう。
添削・改作(梧桐):
「今日といふひと日の生を掬ひ取る言葉得ぬまま眠りに落ちむ」(酔狂)