さ緑の花
- 2022.04.24
白き花片散るなべさながら早緑(さみどり)の花のごと若葉の生(あ)るる花水木
白き花片散るなべさながら早緑(さみどり)の花のごと若葉の生(あ)るる花水木
「覆ふ」とも「覆へす」とも使ふ「覆」の字に「鞍馬天狗」を想起するわれ
小児科医院廃業ののち間なくしてショベルカー二台にてたちまち更地に
雀にやる細かな餌を野鳩二羽ねらひて来るなりあはれとも思ふ
過ぎ来(こ)しの記憶を辿り或る人は涙にむせび或るは笑ふか
鴻毛は軽さの極み、鴻恩は大いなる恩、‘鴻’はいづくに
われわれは樹木は長寿と思へるにソメイヨシノは数十年、人より短命
次百(つくも)とは次も満点を、との心 短歌(うた)においては容易ならざり
今の世になほ攪乱のあらばあれこの身しづかに清浄に保たむ
西空に横縞を成すすぢ雲のいづれも輝く斜陽をあびて