2008年9月27日

  • 2008.09.27

人々の慟哭するさま見るたびに生命(いのち)そのものを悲しと思ふ 生命(いのち)の歴史四十億年のすゑに生(あ)れし人類なれば尊きものを 世を統ぶるは兵器にあらず愛なりと言ひきる域には人到り得ず 人口二億六千万の一国が六十余億人を<核>にて威嚇す 街川の岸辺に沿ひて曼珠沙華咲けり流水そこより血になる

2008年9月25日

  • 2008.09.25

米軍の原子力空母が横須賀に入港す その巨大なる牙 日本を守るためなどと信じる君 その素朴さが日本の命取り 米軍に敵視されゐる国の抱く不安や恐怖への配慮は皆無 対中ロ前線基地化がちゃくちゃくと進むを喜ぶ日本人あはれ 原子力空母の事故より恐ろしき対中ロ前線基地化は語られず

2008年9月17日

  • 2008.09.17

自らが与へし兵器に苦戦するアメリカといふ国は正気だらうか 既に人類を抹殺し得るにアメリカは核兵器開発製造を続く アメリカの政治は軍需産業が誘導すと言ふ おそろしきかな かすかなる脅威を誇大にあふりたて核兵器増やすアメリカおそろし CO2減らすことより一瞬に地を汚(けが)す核兵器の廃絶が先

2008年9月9日

  • 2008.09.09

歩みつつツクツクボウシの声聞けば裡なる宇宙もたちまち秋めく 木曽川は分岐するとき白々と泡立ち一つは急流となる 朝(あした)より夕づく刻まで雲ひとつなく晴れわたり秋の河朱(あか)し 遊歩道に未知なる花々咲きをればデジカメに撮る妻がしきりに 木陰道歩みて平和を味はふに頭上間近を自衛隊機過ぐ

2008年8月20日

  • 2008.08.20

ヒヨドリの雛(連作五首) 薄暗き歩道に落ちゐしヒヨドリの雛の感触がいまだ掌(て)にある 夕闇に鵯(ひよ)鳴き低く飛び回る母鳥と知るに間は要らざりき 道の上(へ)に黒き小物がぴくつくを掴まんと手を伸ばせば飛び立つ 鵯(ひよ)の雛道脇に逃れ母を待つ電線に居て吾をにらむ母を ヒヨドリの子を守らむとする意志の強烈にしてたぢたぢとなる

2008年8月4日

  • 2008.08.04

夕川の岸に並(な)み立つ葉桜の下闇(したやみ)ゆくに蝉しぐれ激し 熊蝉は早朝鳴く筈なのに・・・: 夕暮の空間満たし幾千の蝉鳴く声に熊蝉まじる 両岸は蝉の声降る並木道 をりをり川面(かはも)が夕日に光る 夕川の両岸埋むる桜並木ぬけ出(い)ではたと蝉の声止む 鳥除けの網破れたる欅の木に群がりをどる夕雀たち ——————— […]

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