2007年3月7日
- 2007.03.07
国府宮はだか祭・拾遺: おほかたは舗装に覆はるる地表なれど境内はよろし地球の素肌 もうもうと砂煙あげ裸形(らぎゃう)なる男ら本殿めがけて突進 かくほどの砂塵かぶるは幾年振り 裸男ら神域に暴れ ————————– 寒戻り冷たき強風受けながら株価暴落の因など思ふ 売り買ひのバランス崩れてたちまち […]
梧桐学が日々詠んだ歌の収納庫です。
国府宮はだか祭・拾遺: おほかたは舗装に覆はるる地表なれど境内はよろし地球の素肌 もうもうと砂煙あげ裸形(らぎゃう)なる男ら本殿めがけて突進 かくほどの砂塵かぶるは幾年振り 裸男ら神域に暴れ ————————– 寒戻り冷たき強風受けながら株価暴落の因など思ふ 売り買ひのバランス崩れてたちまち […]
愛知・国府宮裸祭: 人押し分け拝む本殿に据ゑらるる大鏡餅に幾多の亀裂 隣市に住みこの歳にして初見なる裸祭の奇にして妖し 奇声あげ裸の群が儺追笹(なおひささ)担ぎて神殿へ雪崩うち継ぐ 褌(たふさぎ)を纏ふ裸の男たち揉み合ふところへ水をぶっ掛く 裸にて激しく揉み合ふ男らの熱気は水を白煙に換ふ 裸なる男の群に外人も知人も混じり肉叢(ししむら)躍らす 触れて厄を落とさんとして神男(しんをとこ)へ裸男ら怒濤 […]
イヌフグリ雑草(あらくさ)の隙(ひま)を縫ふやうに生(せい)得しゆゑの哀しみに咲く 街川は水断たれしまま春に入り草湧き出でて底土緑(あを)し
続々と地表に建てらるる超高層ビル群は現代版バベルの塔さ 大会社の営業部にして商業ビル ミッドランドスクエアは魔の匂ひ発す 巨大橋、高速道路網、超高層ビルなど魂(たま)を威圧し捩ぢ伏す 上海発世界的株価暴落が現代文明の脆さを徴(しる)す
枯死せしに似る枝振りの紫陽花がはや新芽出す二月下旬に 干涸らびし枝より芽を出す紫陽花の枯れて果てざる極意知りたし
剥出しの深傷(ふかで)に塩振る病あり筋萎縮性側索硬化症といふ 生きん意志試すがごとき病にてALS(エイエルエス)は人生そのもの
雨降らぬ気配に傘なく出でて来て間なくし降られ天を睨みぬ 別の日・・・ 予報は雨、傘差し出でしに直ぐ晴れぬ天の心は量り難しも 同じ道幾度も歩き飽かざるはそのつど花花変りゐるゆゑ
たちまちに霽れわたりゆき空中に撒かれしビラ 否 鳩の群をどる 青空を水母のごとく泳ぎゐるひとつ妖怪は鳩の大群
高きほど風走るらし上層の雲が下層の雲を追ひ越す 空籠めて雲がうごめき回りゐて穴より一瞬漏れ陽ありけり 白き筋引き伸ばしつつジェット機の夕焼け雲へ墜ちゆくところ 木曽川が分かれて並流するところ妻と歩みて大河を二度越ゆ 二月半ば河原歩めば雲雀らが枯れ草叢にて遊べるに遇ふ 田園より住宅地へと近付くに人声聞こえ来 婦人か子供か (新仮名): 核軍縮6割したって人類の滅亡回数が20に減るだけ
寒紅(かんこう)は五分咲き青軸(あをぢく)まだ咲かぬ二月初旬の噴水のほとり (新仮名): 叶うなら二十二世紀まで生き延びて人間居るか確かめたいな