生活詠

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2007年3月7日

  • 2007.03.07

国府宮はだか祭・拾遺: おほかたは舗装に覆はるる地表なれど境内はよろし地球の素肌 もうもうと砂煙あげ裸形(らぎゃう)なる男ら本殿めがけて突進 かくほどの砂塵かぶるは幾年振り 裸男ら神域に暴れ ————————– 寒戻り冷たき強風受けながら株価暴落の因など思ふ 売り買ひのバランス崩れてたちまち […]

2007年3月3日

  • 2007.03.03

愛知・国府宮裸祭: 人押し分け拝む本殿に据ゑらるる大鏡餅に幾多の亀裂 隣市に住みこの歳にして初見なる裸祭の奇にして妖し 奇声あげ裸の群が儺追笹(なおひささ)担ぎて神殿へ雪崩うち継ぐ 褌(たふさぎ)を纏ふ裸の男たち揉み合ふところへ水をぶっ掛く 裸にて激しく揉み合ふ男らの熱気は水を白煙に換ふ 裸なる男の群に外人も知人も混じり肉叢(ししむら)躍らす 触れて厄を落とさんとして神男(しんをとこ)へ裸男ら怒濤 […]

2007年2月28日

  • 2007.02.28

続々と地表に建てらるる超高層ビル群は現代版バベルの塔さ 大会社の営業部にして商業ビル ミッドランドスクエアは魔の匂ひ発す 巨大橋、高速道路網、超高層ビルなど魂(たま)を威圧し捩ぢ伏す 上海発世界的株価暴落が現代文明の脆さを徴(しる)す

2007年2月23日

  • 2007.02.23

雨降らぬ気配に傘なく出でて来て間なくし降られ天を睨みぬ 別の日・・・ 予報は雨、傘差し出でしに直ぐ晴れぬ天の心は量り難しも 同じ道幾度も歩き飽かざるはそのつど花花変りゐるゆゑ

2007年2月15日

  • 2007.02.15

高きほど風走るらし上層の雲が下層の雲を追ひ越す 空籠めて雲がうごめき回りゐて穴より一瞬漏れ陽ありけり 白き筋引き伸ばしつつジェット機の夕焼け雲へ墜ちゆくところ 木曽川が分かれて並流するところ妻と歩みて大河を二度越ゆ 二月半ば河原歩めば雲雀らが枯れ草叢にて遊べるに遇ふ 田園より住宅地へと近付くに人声聞こえ来 婦人か子供か (新仮名): 核軍縮6割したって人類の滅亡回数が20に減るだけ

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